PDSサイクルであってもPDCAサイクルと同じように……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その12)

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今回は、計画(Plan)と実行(Do)の関係性についてお話ししたいと思います。

PDCAサイクルもPDSサイクルも同じように……

中小企業の経営者であるあなたは、PDCAサイクルの計画(Plan)と実行(Do)の関係性とPDSサイクルの計画(Plan)と実行(Do)の関係性について、両者は全く同じものだと思っていないでしょうか?

全く同じものだと思っていませんか?

確かに、どちらのサイクルも計画(Plan)と実行(Do)という同じ言葉を使っているので、どちらのサイクルも計画(Plan)と実行(Do)の関係性は同じものだと思ったとしても無理はないかもしれません。

しかし、PDCAサイクルをPDSサイクルと同じ管理サイクルだと思っていると……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その10)PDCAサイクルをPDSサイクルのように回してみても……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その11)でも述べたように、PDCAサイクルの計画(Plan)が暫定的な性格のものであるのに対し、PDSサイクルの計画(Plan)が確定的な性格のものであることを考慮すると、両サイクルの計画(Plan)と実行(Do)の関係性は全く同じということにはならないはずです。

両サイクルの計画(Plan)の性格の違いから……

PDCAサイクルの計画(Plan)もPDSサイクルの計画(Plan)も、計画(Plan)であることには違いがありませんから、共に計画(Plan)に示された内容が実行(Do)の成果を計るための基準値として機能することには変わりありません。

けれども、PDCAサイクルの計画(Plan)は暫定的な性格のものであることから、計画(Plan)と実行(Do)の関係性は、ただ計画(Plan)通りに実行(Do)することだけを目指せば良いという関係だけではなく、実行(Do)する際に計画(Plan)に示された内容の妥当性も同時に検証しているという双方向的な関係にもなっているはずです。

だからこそ、PDCAサイクルの実行(Do)の過程を「ただ計画(Plan)に従って行動するだけのものだ」と考えていると……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その6)で述べたように、実行(Do)をする際に短いスパンのPDCAサイクルを回していくことが効果を発揮します。

実行(Do)の過程で全体としてのPDCAサイクルよりも短いスパンのPDCAサイクルを回す!

一方、PDSサイクルの計画(Plan)は確定的な性格のものであることから、計画(Plan)と実行(Do)の関係性は、計画(Plan)通りに実行(Do)できるように努力すれば良いという一方向的な関係になるはずです。

但し、PDSサイクルの計画(Plan)であったとしても、計画(Plan)を立案した際には想定していなかったような異常な事態が生じた場合や、計画(Plan)を立案した際に考慮していた前提が大きく崩れてしまったような場合には、中途であっても計画(Plan)の内容を見直すことが必要になります。

なぜなら、そのような場合には、当初の計画(Plan)に示された内容が実行(Do)の成果を計るための基準値として機能しないことは明らかであり、そのような状態で計画(Plan)の内容を見直さなければ、計画(Plan)に示された内容を達成しようと努力させる動機づけとしても機能しないことは明らかだからです。

例えば、予算管理を行っている場合を想像してもらえれば分かりますが、予算編成時に想定していた前提が大きく崩れているのに、当初の予算数値のままで予算管理を強行すれば、何のために予算管理を行っているのかが分からなくなります。

頑張れば達成できるような予算数値だからこそ努力しようと思うのに……

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