差別化戦略としてのリニューアルを成功させるには……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その10)

この度は、白石茂義公認会計士事務所のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

今回は、「差別化の方向性」についてお話ししたいと思います。

リニューアルという方法が選択される場合とは?

中小企業の経営者であるあなたは、「リニューアル」をすることに対して、どのような考えを持っているでしょうか?

どのような考えを持っていますか?

ちなみに、リニューアルとは新しいものに変えることを意味しますが、競争戦略として「差別化」を採用する際(つまり「差別化戦略」を採用する際)にも、リニューアルという方法が選択されることがあります。

それは、差別化戦略を採用する際には……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その4)でも述べたように、後発企業が「模倣戦略」を採用し、先発企業のマネをしてきたことで「差別化」が有効に機能しなくなったような場合です。

このような場合にリニューアルを成功させるには、自分たちの顧客と真摯に向き合い、これまで上手く機能していた「他との違い」の内容を見直すことで、自分たちの顧客にとって更に魅力のある「他との違い」へと変えていくことが必要になります。

なぜなら、後発企業が「模倣戦略」を採用し、先発企業のマネをしてきたことで「差別化」が有効に機能しなくなったような場合というのは、自分たちの顧客の目から「他との違い」が埋没して見えなくなっているだけでなく、コモディティ化によって「他との違い」の内容そのものが前ほど魅力的ではなくなっているためです。

ただ見た目を変えるだけのリニューアルであったとしても……

一方、よほど筋が悪いものでない限り、ただ見た目を変えるだけのリニューアルであったとしても、リニューアルを行えば新たな顧客の掘り起こしに繋がるため、かなりの高確率で、リニューアルを行う前よりも自社の製品やサービスの売上は増えることになります。

リニューアルを行えば新たな顧客の掘り起こしに繋がります!

これは、前回の差別化の内容を質的に進化させるとしても……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その9)でも説明したように、新しいものに敏感なイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)と呼ばれる人々が、リニューアルが行われることで、その新しさが持つイメージや雰囲気に共感してくれることが多いからです。

そこで、自分たちの顧客と真摯に向き合い、これまで上手く機能していた「他との違い」の内容を見直すことよりも、ただ見た目を変えるだけのリニューアルを繰り返した方が簡単ではあるし、効率的であるようにも思えます。

しかし、このようなイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)の性質を利用してリニューアルを繰り返したとしても、イノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)は新しさに敏感である分、移り気な人々でもあるので、その効果はあまり長くは続きません。

それどころか、ただ見た目を変えるだけのリニューアルを頻繁に繰り返していると、今度はリニューアルを行うこと自体に新鮮味がなくなり、新しいものに敏感なイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)であっても、次第に魅力を感じてくれなくなり、その効果はどんどん小さくなっていきます。

イノベーター理論の図③

そのため、このような場合のリニューアルを成功させるには、やはり見た目を変えるだけでは十分でなく、費用対効果を考慮しつつも、自分たちの顧客にとって更に魅力のある「他との違い」とは何かを突き詰め、これを実現していかなければならないのです。

その9へ←   →その11へ

白石茂義公認会計士事務所では、士業コンシェルジュというコンセプトのもと、特に、愛媛県松山市、今治市、新居浜市、西条市の経営者の皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

必要の際には、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。