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今回は、「差別化の方向性」についてお話ししたいと思います。
リニューアルという方法が選択される場合とは?
中小企業の経営者であるあなたは、「リニューアル」をすることに対して、どのような考えを持っているでしょうか?
ちなみに、リニューアルとは新しいものに変えることを意味しますが、競争戦略として「差別化」を採用する際(つまり「差別化戦略」を採用する際)にも、リニューアルという方法が選択されることがあります。
それは、差別化戦略を採用する際には……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その4)でも述べたように、後発企業が「模倣戦略」を採用し、先発企業のマネをしてきたことで「差別化」が有効に機能しなくなったような場合です。
このような場合にリニューアルを成功させるには、自分たちの顧客と真摯に向き合い、これまで上手く機能していた「他との違い」の内容を見直すことで、自分たちの顧客にとって更に魅力のある「他との違い」へと変えていくことが必要になります。
なぜなら、後発企業が「模倣戦略」を採用し、先発企業のマネをしてきたことで「差別化」が有効に機能しなくなったような場合というのは、自分たちの顧客の目から「他との違い」が埋没して見えなくなっているだけでなく、コモディティ化によって「他との違い」の内容そのものが前ほど魅力的ではなくなっているためです。
ただ見た目を変えるだけのリニューアルであったとしても……
一方、よほど筋が悪いものでない限り、ただ見た目を変えるだけのリニューアルであったとしても、リニューアルを行えば新たな顧客の掘り起こしに繋がるため、かなりの高確率で、リニューアルを行う前よりも自社の製品やサービスの売上は増えることになります。
これは、前回の差別化の内容を質的に進化させるとしても……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その9)でも説明したように、新しいものに敏感なイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)と呼ばれる人々が、リニューアルが行われることで、その新しさが持つイメージや雰囲気に共感してくれることが多いからです。
そこで、自分たちの顧客と真摯に向き合い、これまで上手く機能していた「他との違い」の内容を見直すことよりも、ただ見た目を変えるだけのリニューアルを繰り返した方が簡単ではあるし、効率的であるようにも思えます。
しかし、このようなイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)の性質を利用してリニューアルを繰り返したとしても、イノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)は新しさに敏感である分、移り気な人々でもあるので、その効果はあまり長くは続きません。
それどころか、ただ見た目を変えるだけのリニューアルを頻繁に繰り返していると、今度はリニューアルを行うこと自体に新鮮味がなくなり、新しいものに敏感なイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)であっても、次第に魅力を感じてくれなくなり、その効果はどんどん小さくなっていきます。
そのため、このような場合のリニューアルを成功させるには、やはり見た目を変えるだけでは十分でなく、費用対効果を考慮しつつも、自分たちの顧客にとって更に魅力のある「他との違い」とは何かを突き詰め、これを実現していかなければならないのです。
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