PDCAサイクルをPDSサイクルのように回してみても……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その11)

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今回は、改善(Action)と計画(Plan)の関係性についてお話ししたいと思います。

そもそも、PDCAサイクルにおける計画(Plan)は……

中小企業の経営者であるあなたは、PDCAサイクルにおける計画(Plan)は確定的なものだと思っていないでしょうか?

一度決めたら変わることはないのか?

勘違いをしている人が非常に多いのですが、前回のPDCAサイクルをPDSサイクルと同じ管理サイクルだと思っていると……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その10)でも述べたように、PDSサイクルにおける計画(Plan)とは違い、PDCAサイクルにおける計画(Plan)はあくまでも暫定的なものに過ぎません。

これは、同じ計画(Plan)と表現されていても、PDSサイクルにおける計画(Plan)が、(予算管理における計画された予算額を思い浮かべれば分かるように……)達成すべき目標そのものを計画(Plan)として表現しているのに対し、PDCAサイクルにおける計画(Plan)は、目標を達成するための手段を計画(Plan)として表現しているからです。

つまり、PDCAサイクルにおける計画(Plan)は、PDSサイクルにおける計画(Plan)と違って、その時点で最も信憑性の高い仮説から導かれた最適と思われる方法を記したものなので、実際に試してみて改善(Action)すべき事項が見つかれば、当初の計画(Plan)に固執する必要など全くなく、どんどんブラッシュアップしていくことができます。

PDSサイクルの計画(Plan)とPDCAサイクルの計画(Plan)

そのため、そんなに気構えなくても、PDCAサイクルを回すことができれば……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その4)でも述べたように、最初から完璧な計画(Plan)など準備しなくてもよく、トライ&エラー(試行錯誤)を繰り返すことで目標を達成する計画(Plan)を立案できるようになるのです。

PDCAサイクルが上手く回らない本当の理由は……

PDCAサイクルを回す目的は、PDCAサイクルを回す究極の目的は、目標達成を阻害している本当の原因を改善(Action)することにある?(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その8)でも述べたように、目標達成を阻害している本当の原因をあぶり出し、それらを克服できるような改善策を見つけ出すことにあります。

それなのに、PDCAサイクルを「管理サイクル」だと勘違いしてしまうと、本来の使われ方とは全く異なる目的でPDCAサイクルを活用しようとしているのですから、上手く回るわけがありません。(そもそも、何のために回すのかという最初の目的から間違っています!)

このような勘違いを回避するには、PDCAサイクルにおける改善(Action)と計画(Plan)の繋がりの部分を正しく解釈しなければなりませんから、PDCAサイクルをループ状(輪の形)の姿でイメージするのではなく、スパイラル状(らせんの形)の姿でイメージする必要があります。

本当のPDCAサイクルの姿は、ループ状(輪の形)ではなく、スパイラル状(らせんの形)です!

そして、PDCAサイクルを正しい姿でイメージすることができたのなら、そもそも、経営者がPDCAサイクルの姿を正しくイメージできていないとPDCAサイクルは回りません!(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その1)でも述べたように、改善(Action)が行われる目的が「なぜ、計画を達成できなかったのか?(Why?)」を考えることではなく、「どうすれば、計画をより良いものにできるのか?(How?)」を考えることであると理解できるはずです。

次回は、計画(Plan)と実行(Do)の関係性について解説します。

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