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今回は、「差別化の難しさ」についてお話ししたいと思います。
差別化とは何か?
中小企業の経営者であるあなたは、どのような意味で「差別化」という用語を使っているでしょうか?
私自身のことについて白状すると、昔は「他社に対して優位なポジションを確立すること」といったような意味で「差別化」という用語を漠然と使っていました。
しかし、よく考えてみると、他社に対して優位なポジションを確立するために「差別化」をするのであって、「差別化」自体の意味は「他との違いを(顧客に)提示すること」のはずです。(そうですよね?)
そうだとすると、他社に対して優位なポジションを確立することは「差別化」の目的であって、「差別化」はそのための手段であるという関係になります。
尚、「差別化」という用語の代わりに「差異化」という用語を使ったり、「差別化」と「差異化」を厳密に区別するべきだという意見もあったりしますが、私のブログ記事では「差別化」と「差異化」を同じものだと判断し、「差別化」という用語を使用するものとします。
中小企業が差別化を成功させるには……
一般的に、他との違いを際立たせるには、優秀な人材を投入して研究開発に注力したり、精力的にプロモーション活動を行ったりするなど、多額の資金が必要になると考えられるので、資金面で劣る中小企業が「差別化」を成功させるのは簡単ではないでしょう。
けれども、中小企業が大企業と正面から競争を挑んでも勝てる見込みは薄いでしょうから、競争相手との違いを際立たせることで正面からの競争を回避できる「差別化」という方法は、中小企業にとって魅力的な方法であるともいえます。
そこで、中小企業が「差別化」を成功させるには、あまり資金をかけずに他との違いを際立たせることが必要になりますが、「差別化」の対象は必ずしも販売している製品やサービスそれ自体の品質や機能の良さである必要はないので、ちょっとした工夫で「差別化」をすることは可能なはずです。
例えば、販売方法を他では見られない独特なものにしたり、販売後のサポートを他では見られない内容にしたりするなど、企業が行っている業務の一部を他とは違うものにすることも立派な「差別化」になりますから、このような「差別化」であれば、工夫次第で資金をかけずに他との違いを際立たせることができます。
それに、他との違いは、顧客にとって意味があるものであり、かつ、それを理解することができるものでなければ、顧客はそれが他との違いであることに気がつきませんから、多額の資金を投入したからといって「差別化」が必ず成功するわけではありません。
しかも、どのような違いが、顧客にとって意味があるものであり、かつ、それを理解することができるのかは、顧客自身も十分に分かっていない場合があるので、企業の側からは簡単に知ることができない状態です。
このように、「差別化」が難しい本当の理由は、多額の資金が必要になることではなく、顧客との向き合い方の難しさにあると考えられるので、中小企業であっても、その気にさえなれば「差別化」を成功させることは可能だと考えられます。
次回は、「差別化の規模」について解説してみたいと思います。
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