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今回は、「会社の強みを引き継げるかどうか」についてお話ししたいと思います。
“会社の強み”を見つけ出すことができたなら……
前回の“会社の強み”を把握するには……(中小企業経営者のための事業承継!その4)では、自社の強みを把握する方法について説明しましたが、中小企業の経営者であるあなたは、これらの方法を使って“会社の強み”が何であるかを確かめることができたでしょうか?
たとえ自分自身では“会社の強み”を見つけ出せなくても、第三者の視点から分析をすることで“会社の強み”を見つけ出せることは多いですから、本気で事業承継をしたいと考えているのなら、専門家に分析を依頼してみるのも一つの手です。
尚、無事に“会社の強み”を見つけ出すことができたなら、今度は、その“会社の強み”が「次世代へ引き継がせることができる」という条件を満たしているのかどうかを検討する必要があります。
なぜなら、事業承継の進め方?(中小企業経営者のための事業承継!その2)でも述べたように、中小企業の場合には、見つけ出した“会社の強み”が「組織としての強み」ではなく、事業承継をしたいと考えている「経営者の属人的な強み」であることが多いからです。
そのため、見つけ出した“会社の強み”が事業承継をしたいと考えている「経営者の属人的な強み」であるような場合には、“会社の強み”を次世代へ引き継がせることができるとは限らず、事業承継が可能かどうかの判断は、“会社の強み”の内容に大きく影響を受けることになります。
“会社の強み”が事業承継をしたいと考えている「経営者の属人的な強み」であるような場合には……
例えば、自社の強みが何かを分析した結果、同業他社と比べて技術力が高いことが“会社の強み”だと診断されたような場合を想像してみてください。
このような場合に、技術力が高い理由が、組織として継続的に技術力を高められるような体制が整備されているためなのだとしたら、このまま経営者が交代したとしても “会社の強み”を引き継ぐことができる可能性は高いでしょう。
しかし、技術力が高い理由が、事業承継をしたいと考えている経営者自身の技量が非常に優れているためなのだとしたら、このまま経営者が交代したのでは“会社の強み”を引き継ぐことは難しいはずです。
そこで、このような場合には、“会社の強み”の源泉となっている経営者が有している技術力の高さを引き継ぐことが可能なのかどうかを検討し、引き継ぐことが可能だと判断できたのなら、どのような形で引き継いでいくのかを計画する必要があります。
当然のことですが、このような「経営者の属人的な強み」を引き継ぐことは難しく、可能だと判断できたとしても、とても長い年月をかけて引き継がなければなりませんから、経営者が「そろそろ引退したいな~」と思ってから初めて事業承継に着手したのではとても間に合いません。
ですから、最初から時間がかかることを覚悟すると同時に、どのような手順を踏んで“会社の強み”を引き継いでいけば効果的かつ効率的なのかを予め検討しなければならないのです。
次回は、「どの事業承継方法を選択するべきなのか」について解説してみたいと思います。
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