この度は、白石茂義公認会計士事務所のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回は、「事業承継に係る経営者の決断」についてお話ししたいと思います。
事業承継するべきかどうか決められないのは……
中小企業の経営者であるあなたは、事業承継するべきかどうかを既に決めているでしょうか?
大同生命が公表している『中小企業経営者アンケート「大同生命サーベイ」2022年8月度調査レポート』によると、2022年8月1日から8月31日までの調査期間で、全国の企業経営者 7,668社 (うち約6割が大同生命の契約企業)に対して、大同生命の営業職員が訪問またはZoom面談により調査を行ったところ、「事業承継したい」と回答する中小企業の経営者が56%いる一方で、「未検討」と回答する中小企業の経営者が36%いることが報告されています。
更に、事業承継を考えるべき時期だが未検討と回答している中小企業の経営者に対するアンケート調査の結果を見てみると、未検討である理由として、「後継者が見つからない(育っていない)ため」という回答が58%と最も多く、事業承継に係る経営者の決断には、後継者(候補者を含む)の有無が大きな影響を与えていることが推測されます。
しかし、事業承継したいと回答している中小企業の経営者に対するアンケート調査の結果を見てみると、事業承継するにあたっての課題としては、「後継者の選定・確保」という回答が30%と2番目に多く、「事業承継したい」と回答する中小企業の経営者については、後継者(候補者を含む)が見つからないからといって、そのことを理由に事業承継を諦めているわけでもないようです。
後継者(候補者を含む)が見つからないからといって……
このように、中小企業の経営者が事業承継するべきかどうかを決められない理由としては、後継者(候補者を含む)の不在が挙げられることが多いのですが、これについては、事業承継するべきかどうかを決められないからこそ、後継者(候補者を含む)が見つからないように思えます。
そうだとすると、事業承継に係る経営者の決断としては、後継者(候補者を含む)の存在の有無に関わらず、まずは事業承継するべきかどうかを決断する必要がありそうです。
又、先ほどの大同生命のアンケート調査では、事業承継を考えるべき時期だが未検討の理由として、「会社や業界の将来見通しが立たないため」という回答が30%と2番目に多いのですが、これについても、事業承継の進め方?(中小企業経営者のための事業承継!その2)で説明したプロセスに従って事業承継を行うのであれば、事業承継に係る経営者の決断の障害にはならないと思います。
というのも、会社や業界の将来見通しが立たないというのは、裏を返せば、自分が営んでいる事業の将来性に疑念を感じているということであり、これについては、黒字かどうかで判断するのではなく……(中小企業経営者のための事業承継!その1)でも説明したように、「次世代へ引き継がせるに値する“会社の強み”があり、かつ、その“会社の強み”を次世代へ引き継がせることができるという条件を満たしているかどうか」を検証すれば将来性への疑念も同時に解消するからです。
以上のことから、事業承継するべきかどうかを本当に迷っているのであれば(既に廃業する意思が固まっていないのであれば)、事業承継を成し遂げるには非常に長い時間がかかりますから、なるべく早く決断をした方が良いということになるでしょう。
次回は、「会社の強みの分析方法」について解説してみたいと思います。
白石茂義公認会計士事務所では、士業コンシェルジュというコンセプトのもと、特に、愛媛県松山市、今治市、新居浜市、西条市の経営者の皆様からのお問い合わせをお待ちしております。
必要の際には、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。