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今回は、「銀行の種類」について考えてみたいと思います。
複数の地方銀行をネットワーク化して第4のメガバンクになる?
中小企業の経営者であるあなたが、このブログ記事を読んでいる頃には既に決着しているのかもしれませんが、このブログ記事を書いている2021年9月30日の時点では、新生銀行がSBIホールディングスからTOB(=株式公開買い付け)を受けており、両者の攻防が世間を騒がせています。
各紙の新聞報道によると、SBIホールディングスは複数の地方銀行をネットワーク化して第4のメガバンクになることを構想しているようで、今回の新生銀行を傘下に加えようとしているのも、そのための具体的な行動の一環だということです。
このブログ記事を書いている時点ではSBIホールディングスの目論見が上手くいくかどうかはまだ分かりませんが、もしも新生銀行へのTOBが成功するようなら、これを契機に地方銀行の統廃合が進むのは間違いないでしょう。
銀行の種類について考えてみると……
ところで、SBIホールディングスの標的にされている新生銀行は普通銀行と呼ばれる種類の銀行なのですが、新生銀行になる前は長期信用銀行と呼ばれる種類の銀行でした。
長期信用銀行というのは、普通銀行が預金業務により資金を調達するのに対し、債券を発行することによって長期資金を調達するという特色を有しており、長期資金の貸付を主業とする長期金融機関のことです。
かつては日本に3行(日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、日本興業銀行)存在したのですが、日本の高度経済成長が終わり、又、企業の資金調達方法が多様化したことなどが原因で、現在は普通銀行に転換するなどして1行も存在していません。
一方、普通銀行については、(1)大都市に本店を持ち全国規模で活動する都市銀行(2)地方都市に本店を持ち地域密着で活動する地方銀行(3)以前は相互銀行であった第二地銀の3つに分類して、それぞれ説明することが一般的でした。
しかし、バブル経済崩壊後の不良債権を処理する必要性もあって、都市銀行は合併を繰り返すことで巨大化し、現在は都市銀行とメガバンクがほぼ同じ意味になっています。(あくまでもメガバンクは規模の大きな銀行や銀行グループを指す俗称のことであって、厳密には都市銀行のことを意味するものではないはずですが……)
更に、普通銀行には、先ほど説明した都市銀行と地方銀行と第二地銀の3つ以外にも、新生銀行のように長期信用銀行から普通銀行に転換した銀行や、セブン銀行に代表されるような異業種から参入した銀行、店舗を有しないインターネット専業銀行などの新しいタイプの銀行が登場してきており、これら新しいタイプの銀行の存在が無視できない状態になっています。
そして、今回、新生銀行を傘下に加えようとしているSBIホールディングスに属する住信SBIネット銀行は、新しいタイプの普通銀行であるインターネット専業銀行なのです。
以上のことから、SBIホールディングスの新生銀行に対するTOBが成功し、SBIホールディングスが複数の地方銀行をネットワーク化して第4のメガバンクになることに成功すれば、普通銀行に対する人々の概念が変わり、地方銀行の統廃合が進む以上の何かが起きるのかもしれません……
次回は、「経営者保証」についてお話ししたいと思います。
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