PDCAサイクルと呼ばれていても、最初の一巡目については計画(Plan)ではなく、評価(Check)からスタートする方が……(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その9)

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今回は、PDCAサイクルの最初の一巡目についてお話ししたいと思います。

最初の一巡目についても、計画(Plan)からスタートするのが正しいのか?

ここまで、PDCAサイクルを回す際に、計画(Plan)からスタートすることを暗黙の前提として説明を行ってきましたが、中小企業の経営者であるあなたは、最初の一巡目についても、計画(Plan)からスタートするべきだと思うでしょうか?

最初の一巡目についても、計画(Plan)からスタートするべきなのか?

PDCAサイクルと呼ばれているぐらいですから、「計画(Plan)からスタートするのが普通だろう!」とあなたが思われるのも当然なのですが、私自身は最初の一巡目については評価(Check)からスタートするべきだと考えています。

なぜなら、今までPDCAサイクルを回しているつもりになっていたけど、実はPDCAサイクルを回してなんかいなかった?(中小企業経営者のためのPDCAサイクル入門!その2)でも説明したように、PDCAサイクルの裏側では仮説と検証のサイクルが回っていなければならず、いきなり計画(Plan)からスタートしても、検証可能な説得力のある仮説を立てることができないからです。

確かに、仮説を立てるために必要な情報が手元になくても、計画立案者の思いつきだけで仮説を立てることぐらいはできますから、そのような仮説を反映した計画(Plan)を立案することは十分に可能でしょう。

けれども、計画立案者の思いつきだけで立てたような仮説では、それがどれくらい正しいのかを後で検証することが難しく、結局は、計画(Plan)→実行(Do)→計画(Plan)→実行(Do)→…といった感じで、思いついた計画(Plan)とその実行(Do)をいたずらに繰り返すだけになってしまいます。

そこで、計画(Plan)ではなく、評価(Check)からスタートすれば、計画(Plan)を立てる前に必要な情報を入手できるため、検証可能な説得力のある仮説を立てることが可能になるのです。

PDCAサイクルの図①

計画(Plan)ではなく、評価(Check)からスタートすることで……

PDCAサイクルを評価(Check)からスタートする場合、まだ計画(Plan)は立案されていませんから、その対象はPDCAサイクルを回すことによって解決したいと思っている問題そのものであり、そのような問題が生じている原因を調査することが評価(Check)の主な内容になります。

そのため、評価(Check)を行うことで、説得力のある仮説を立てるのに必要な情報を入手し、同時に、仮説がどれくらい正しいのかを後で検証するためには何を確かめれば良いのかを事前に把握しておくことが可能になるわけです。

そして、評価(Check)によって確かめられた問題を改善(Action)するための方策を計画(Plan)に織り込むことで、“パイロット版”とも呼ぶべき最初の計画(Plan)を立案することが可能となり、PDCAサイクルを回すための前提条件が整うことになります。

更に、評価(Check)からスタートすれば、検証可能な説得力のある仮説を立てることが可能となるだけでなく、PDCAサイクルに参加するメンバーに「このプロジェクトの成功確率は高いぞ!」と思わせることができるので、彼らのモチベーションを高めることにも繋がるはずです。

PDCAサイクルの図②

もし、PDCAサイクルが上手く回っておらず、思いついた計画(Plan)とその実行(Do)をただ繰り返しているようなら、まずは評価(Check)からスタートすることを検討してみてはどうでしょうか?

次回は、評価(Check)と改善(Action)の関係性について解説します。

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