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今回は、下請けの仕事だけに専念しているような場合の下請けからの抜け出し方について考えみたいと思います。
今の下請けの仕事以外にも別の仕事を行うことができるような場合
前に、下請けの立場から抜け出すために必要なものとは何か?(弱者の戦略!その2)で、下請けの立場から抜け出すためには「複数の顧客(=複数の取引先)」が必要であると説明しました。
けれども、一つの親事業者からの仕事だけに専念しているような場合、この方法を採用することは(下請けの立場から抜け出すためには必要なことだと理解していたとしても……)とても難しいでしょう。
そのため、このような場合に複数の顧客(=複数の取引先)を獲得したいと思うのならば、まずは「今の下請けの仕事以外に新たな仕事を始めることができるのか?」を検討してみてください。
もし、それが可能であるようなら、新たな仕事の割合を少しずつ増やしていくことで、下請けの立場から抜け出すために必要な複数の顧客(=複数の取引先)を獲得できるようになるかもしれません。
ただその際には、できれば今の下請けの仕事と同じ仕事は避けるべきです。
なぜなら、親事業者のライバル企業から仕事を受注したりすれば、競業避止義務違反や利益相反取引行為に問われる危険もありますし、たとえ競業避止義務違反や利益相反取引行為に該当しなくても、親事業者にとって面白くないことは間違いないからです。(当然、妨害される危険も高くなるでしょうし……)
そこで、今の下請けの仕事と全く同じではないけれども、これまでの仕事で獲得したノウハウを活用できるような仕事(かつ、できれば下請けではない仕事)を設備投資や従業員の増員をしないで開拓し、成功への道筋が見えたなら、そのような仕事を増やしていくのが無難だと思います。
今の下請けの仕事以外にも別の仕事を行うことが難しいような場合
一方、今の下請けの仕事以外に別の仕事を行うことが難しいような場合だと、下請けの立場から抜け出すために複数の顧客(=複数の取引先)が必要であるのに、複数の顧客(=複数の取引先)を獲得するには今の下請けの仕事をやめなければならないという困った状態に陥ってしまいます。
このような場合に下請けの立場から抜け出したいと思うのであれば、結局は今の下請けの仕事をやめなければならないということになりますが、本人の希望額には達していないとしても、今の下請けの仕事からそれなりに利益は出ていれば、本当に今の下請けの仕事をやめてもよいのかを慎重に検討してみる必要があるでしょう。
又、今の下請けの仕事からあまり利益が出ていなくても、それだけで今の下請けの仕事をやめるべきだと単純に判断するのではなく、それが下請けという仕事であるためなのか、それとも、それ以外の要因によるものなのかを根本から見直す必要があります。
尚、下請けという立場が嫌なだけであれば、親事業者に内製化する(つまり、親事業者に企業買収してもらい、親事業者の従業員として働く)ことは可能なのかを打診してみるのも一つの手かもしれません。
但し、親事業者の従業員になったらなったで、今度は解雇されてしまう危険が生じてしまうのですが……
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