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今回は、「代位弁済」について考えてみたいと思います。
銀行との交渉がもっと難しくなるかも?
事業再生を行っているあなたの会社が、計画通りに再建が進んでいるのであれば特に問題はないのですが、もし、計画通りに再建が進んでいないのであれば、銀行との交渉はこれまでよりも難しくなる可能性があります。
なぜなら、貸付先に「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画(略して、「実抜計画」といいます。)」などの要件を満たした経営改善計画を策定させることで、銀行は多額の貸倒引当金を計上することを回避できるのですが、計画通りに再建が進んでいないのであれば、多額の貸倒引当金を計上しなければならなくなるからです。
そのため、(銀行が求めるような)経営改善計画を提出していたとしても、計画通りに再建が進んでいない場合には、これまでとは違って、銀行が厳しい対応をしてくる可能性があり、最悪の場合には、不良債権としてオフバランス処理を加速させていくことも考えられます。
信用保証協会の保証付きの融資の場合……
もしかして、あなたの会社がリスケジュールをしてもらっている借入金は信用保証協会の保証付きの融資でしょうか?
もしそうなら、先ほど説明したような理由から、銀行がこれまでのようにリスケジュールの延長を簡単には認めず、信用保証協会へ代位弁済を請求する可能性があります。
そして、実際に代位弁済されると、銀行との金銭消費貸借契約は終了することになりますが、信用保証協会が債務者に代わって返済を行ったことで求償権を取得するため、今後は信用保証協会へ代金の返済をする義務が生じます。
代位弁済された場合、代位弁済された企業の信用力はガタ落ちになります。
そのため、仮に他の銀行へ融資の申込みをしたとしても、基本的に信用保証協会が信用保証をすることはないので、銀行が新たな融資に応じてくれることはありません。
もちろん、理屈の上では、銀行がプロパー融資(=信用保証協会の保証が付いていない融資のこと)を行うのであれば、新たな融資に応じることは可能ということになりますが、代位弁済された企業にプロパー融資をする銀行がいるとは思えませんので、事実上、信用保証協会への返済が完了するまでは融資を受けられなくなります。
一方、代位弁済されると、これまでのように追加の信用保証料の支払いや利息の支払いをしなくてもよくなりますが、その代わりに、遅延損害金が元金に対して年利14.6%かかることになります。(但し、実際にはそんなに高い年利を請求していない場合が多いようです。)
又、信用保証協会との交渉は、保証協会債権回収株式会社(通称:保証協会サービサー)が窓口になりますが、きちんと交渉を行うことで、月々の返済額を妥当な範囲の金額にしてもらうことも可能です。
尚、信用保証協会との交渉では、これまで銀行との交渉で提出していた資料(資金繰り表など)とほぼ同じものを提出することになります。
次回は、「DPO(ディスカウント・ペイオフ)」についてお話ししたいと思います。
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