モニタリング活動でダメージコントロールをする?(中小企業こそ与信管理が大事!その13)

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今回は、モニタリング活動の重要性などについて説明したいと思います。

中小企業こそ、モニタリング活動が重要になる!

与信管理における最も望ましい対応は、問題が表面化して不良債権化する前に撤退する(=取引をやめる)ことですが、中小企業は“撤退“という選択肢を採りづらいのではないでしょうか?

撤退なんてできるの?

なぜなら、撤退をするということは、その分、販売量を減らしてしまうことを意味しますから、代わりの取引先を見つけられない場合には、業績を悪化させてしまうことになるからです。

ですから、資金繰りなど、ギリギリのバランスで経営を続けている中小企業にとっては、取引先の危険に関する情報がかなり確実でなければ、撤退を決断することは難しいというのは容易に想像できます。

けれども、その一瞬の躊躇が判断を鈍らせ、決断を遅らせている間に、もはや手遅れ……という事態を招いてしまいます。

このような事態になるのを回避するためには、取引先に対する審査業務が完了した後も引き続きモニタリング活動を行うことによって、取引先の危険な兆候を誰よりも早く見つけられるようにしておく必要があります。

そうすることで、もっと情報収集をしたり、熟慮したりするための時間を稼ぐことが可能になります。

そのわずかな時間の差が、あなたの会社を救う!

企業が倒産するまでのプロセスとその対応について!

普通、企業はいきなり倒産したりはしません。おおよそ以下のようなプロセスを辿ることで倒産に至ることになります。

まず、販売不振などの原因で業績が悪くなり、更に、この状態がしばらく継続してしまうことで、財政状態や資金繰りも悪化し、やがては支払の遅延や滞納が生じるようになります。(第一段階)

次に、この支払の遅延や滞納をキッカケとして、噂や風評が同業者などの間で広がるようになり、これにより信用不安が生じることになります。(第二段階)

最後には、次々に企業内外の関係者が離脱するようになり、それまでのように業務を続けられなくなることで、支払不能に陥り、やがて倒産します。(第三段階)

倒産に至るまでのプロセス

この内、取引先の危険な兆候というのは、第一段階で生じる「業績の悪化」「財政状態の悪化」「資金繰りの悪化」などを知らせるシグナルのことです。

与信管理においては、これを如何に早くキャッチできるかが明暗を分けることになります。

おそらく、第二段階に入れば、多くの債権者たちの間で債権回収の競争が始まってしまいますから、それまでに担保を取得したりして、債権保全を図っていなければ手遅れになります。

そう考えると、ダメージを最小限に食い止めて撤退することができるのは”第一段階まで”ということになるでしょう。

次回は、危険な兆候の例などについてお話ししたいと思います。

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