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今回も、情報収集について説明したいと思います。
商業登記簿を入手したら……
取引先の情報収集をするオーソドックスな手法として、商業登記簿を入手するという方法があります。
商業登記簿(厳密には履歴事項全部証明書)を取得すれば、
1.商号
2.本店住所
3.公告をする方法
4.会社成立の年月日
5.目的
6.発行可能株式総数
7.発行済株式の総数並びに種類及び数
8.株券を発行する旨の定め
9.資本金の額
10.株式の譲渡制限に関する規定
11.役員に関する事項
12.取締役会設置会社に関する事項
13.監査役設置会社に関する事項
14.登記記録に関する事項
がそれぞれ載っていますので、既に把握している会社概要と登記事項に差異がないのかをチェックすることができます。
尚、商業登記簿(厳密には登記事項証明書)については、一部の例外を除き、基本的には最寄りの登記所の窓口で申請すれば600円*で入手することができますが、事前にオンライン申請すれば、登記所での受け取りの場合は480円*、郵送での受け取りの場合には500円*で入手することができます。
*1通の枚数が50枚を超える場合には、以後50枚ごとに100円を加算した額となります。
又、証明書でなくとも登記情報さえ入手できればそれで良いという場合であれば、登記情報提供サービスを利用すれば、有料ですが、インターネット経由で簡単に情報を入手することができますので、興味のある方は「登記情報提供サービス」で検索してみてください。
商業登記簿を見る際のポイント!
与信管理の観点から、商業登記簿や登記情報を見る際のポイントのひとつに、登記されている事項の変更履歴の有無を確かめることがあります。
尚、実際に取得できる商業登記簿は「登記事項証明書」と呼ばれ、登記事項証明書には「現在事項証明書」「履歴事項証明書」「閉鎖事項証明書」の3種類があります。
(他にも「一部事項証明書」と「全部事項証明書」という区分の仕方があるので、実際には、これらの組み合わせで「現在事項一部証明書」や「履歴事項全部証明書」という名称で発行されることになります。)
現在事項証明書には過去の履歴が載っていないので、変更履歴の有無を確かめるには、履歴事項証明書や閉鎖事項証明書を取得する必要があります。
いわゆる取り込み詐欺業者(パクリ屋)は休眠会社を利用するケースが多いので、商号(社名)や本店住所、役員などが頻繁に変更されているような場合には注意が必要です。又、過去に不渡りを出してしまったような会社も、経歴をごまかすために商号(社名)を変更することがあります。
更に、「登記記録に関する事項」の箇所に登記所の管轄外から本店所在地を移転している旨の記載がされているような場合には、知られたくないことを隠している可能性があるので、移転前の管轄登記所の閉鎖登記まで遡って調べておくべきです。
他にも「目的」の箇所に、あまりにも多くの事業目的などが記載されているような場合にも、いわゆる取り込み詐欺業者(パクリ屋)の可能性があるので注意が必要です。
次回も、情報収集ついてお話ししたいと思います。
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