与信マインドが備わっていないと……(中小企業こそ与信管理が大事!その7)

この度は、白石茂義公認会計士事務所のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

今回も、情報収集について説明したいと思います。

営業担当者を使っての情報収集の弊害を減らすために……

信用調査会社の情報だけに頼りきっていると……(中小企業こそ与信管理が大事!その6)でも少し説明しましたが、営業担当者を使って取引先の情報収集をするという方法は、取引先の情報を直接収集することができるという点で、他の方法では得られない貴重な情報を収集できる可能性があります。

そのため、ぜひとも実施したい方法なのですが、営業担当者に与信マインド(=与信管理の重要性に対する意識のこと)が備わっていないと、目の前に重要な情報があってもスルーしてしまったり、極めて恣意的な判断で情報収集しなかったりする恐れがあります。

与信マインドがある営業担当者VS与信マインドがない営業担当者

そこで、そのような弊害を少しでも減らすために、あらかじめ情報収集対象になることが分かっているものについては、事前にリスト化しておくことをおススメします。

それに、事前にリスト化しておけば、それはマニュアル化しているのと同じことなので、情報収集の成否が営業担当者の能力に左右されてしまうという属人化の問題にもある程度は対応することが可能になります。

リスト化する際に気をつけて欲しいのは……

ただリスト化するとしても、「取引先の経営者の能力はどうか?」といったようなチェック項目を設けてしまうと、どうしても営業担当者が主観的判断をしなければなりません。

そこで、チェック項目を「経営者としての経験年数」「業界の経験年数」「経験業種」「経験職種」などのような客観的な情報として把握できるものに細分化しておけば、これらの情報を統合することで、経営者の能力に関する情報を客観的な情報として把握できるようになるはずです。

何を根拠に経営者の能力を判断する?

もちろん、中には、どうしても主観的に判断する形でしか収集できないような情報もあるでしょうから、このようなものについては、3区分(良い・普通・悪い)~5区分(良い・やや良い・普通・やや悪い・悪い)したものの中から選択するといった方式を採用すれば、他の取引先の情報と簡単に比較できようになるので、多少は客観性が高まるでしょうし、営業担当者の負担も減らすことができます。

与信マインドをどう醸成するのか?

営業担当者を使って情報収集する方法の最大のメリットは、早期に取引先の異変を把握することができる点にあります。

けれども、このような異変を示す情報をチェック項目として事前にリスト化しておくことには限界があるため、どうしても営業担当者の判断に任せなければならなくなります。

そこで、経営者であるあなたの方から、営業担当者と頻繁にコミュニケーションをとるようにして、営業担当者に与信マインド(=与信管理の重要性に対する意識のこと)を高いレベルに維持しておくように促すと共に、どんな些細なことであっても、気になることは報告できるような体制をつくっておく必要があるでしょう。

もちろん、営業担当者との間に、信頼関係が構築されていることが前提です!

次回も、情報収集ついてお話ししたいと思います。

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