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今回は、設備投資が過大になる理由についてお話ししたいと思います。
過大な設備投資をしたつもりはないのに……
過大な設備投資をしたことで、キャッシュが回らなくなり、経営危機に陥ってしまった……というのはよく聞く話ですが、設備投資が過大になってしまう理由については、あまり聞いた記憶がありません。
そこで、今回は、設備投資が過大になる理由について考えてみたいと思います。
中小企業の経営者であるあなたには同意してもらえると思いますが、設備投資が過大になったというのは、結果として過大になってしまったのであって、決断をした当初は、適切な規模だと自分自身は思っていたはずです。
それでは、なぜ、適切な規模の設備投資だと思っていたものが、結果として過大な設備投資になってしまうのでしょうか?
その理由は、経営者が需要予測を間違ってしまったからに他なりません。
つまり、経営者が当初予測していたほど需要がなかったために、過大な設備投資になってしまったということです。
それでは、なぜ、経営者は需要予測を間違ってしまったのでしょうか?
過大な設備投資をしてしまう理由、それは、タイミング?
経営者が需要予測を間違う理由、それは設備投資の意思決定をするタイミングにあります。
おそらく、あなたもそうだと思いますが、設備投資をしないといけないと思うのは、事業がものすごく上手くいっている時、つまり、自社の製品やサービスの販売が絶好調の時であり、「今のままでは、製品やサービスの供給が追いつかなくなるかも?」と思った時ではないでしょうか?(もちろん、経年劣化した設備を維持・補修するためだけに行う設備投資は除きます!)
この時、経営者の頭の中では、増加傾向にある今の需要の延長線上に将来の需要があるはずだと予測しているでしょうから、「どうすれば、この先、機会損失(売り逃しのこと)が発生するのを阻止できるのか?」ということが一番の悩みになっているはずです。
そして、この絶妙なタイミングで、取引のある銀行などから、「好条件で融資をさせてもらうので、そろそろ設備投資をされたらどうですか?」などと声をかけられたりするわけです。(企業の業績もすごく良くなっているので、銀行側から見ても絶好の融資の提案タイミングなのです!)
このように、経営者が強気の予想をしてしまいがちな絶妙のタイミングで、設備投資の話を持ちかけられることで、ついつい過大な設備投資をしてしまうというわけです。
このような過大な設備投資を回避するには、一旦、時間をおいて冷静になる必要がありますが、それはそれで難しいものがあるでしょう。物事が上手くいくには“時流に乗る”ということも必要なので、どうするべきかを考えている間に、その流れに乗り遅れてしまうこともしばしばあるからです。
まあ、それが経営の難しさでもあり、醍醐味でもあるのですが……
次回は、重要予測が正しくても、設備投資を失敗してしまう場合について解説します。
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