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このブログ記事は、2018年5月20日に更新しました。
今回は、「ゴーイングコンサーン(継続企業の公準)」について解説したいと思います。
ゴーイングコンサーンとは何か?
経営者であるあなたは、「ゴーイングコンサーン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ゴーイングコンサーン(以下、GC)は「継続企業の公準」と呼ばれることもありますが、簡単に説明すると、企業は永遠に存在し続けるという仮定のことです。
ちなみに、「公準」というのは、企業会計(≒財務会計)の各原則・手続きが有効に成立するための前提のようなもののことです。
つまり、企業会計の各原則・手続きというのは、企業が倒産しないという前提を置くことで有効に成立するものなのです。
例えば、企業会計には「減価償却」という手続きがありますが、これも企業が倒産しないという前提を置くことで手続きが正当化されるものです。仮に、GCが満たされないような場合であれば、通常の減価償却という手続きではなく、固定資産の価値の減少分(この場合は正味売却可能価額の減少分ということになるでしょう……)を費用として計上することが会計理論的には正しい処理ということになるはずです。*
*あくまでも会計理論的に考えれば……という話であり、実務上は清算手続きに入るまでは手続きを変更するようなことありません。尚、清算手続きをする場合、会社法上は財産法の考え方に基づく特殊な会計処理が要請されるので、損益計算という概念そのものが出てきません。一方、税務上は平成22年度改正によって損益法により所得計算をすることになったので、清算中であっても、原則としてGCを前提に計算が行われることになります。
GCが満たされていないと……
GCによって企業は永遠に存在し続けるという仮定を置いたとしても、それは仮定の話に過ぎませんから、現実には企業が倒産しないという保証にはなりません。
そのため、GCが満たされていないのに、通常の企業会計の各原則・手続きが適用されているとしたなら、利害関係者が判断を誤る危険があります。
そこで、利害関係者の多い上場企業の場合には、貸借対照表日(=決算日)において、単独で又は複合してGCに重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合であって、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなおGCに関する重要な不確実性が認められるときは、GCに関する事項を財務諸表に注記(GC注記)しなければなりません。
又、GC注記には至らないような場合であっても、GCに重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合には、有価証券報告書の「事業等のリスク」及び「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」にその内容等を具体的に、かつ、分かりやすく開示することが要請されています。
但し、GC注記や重要事象の記載がされているからといって、直ちにその企業が危ないというわけではありません。(もちろん、無条件に安全というわけでもありませんが……)
GC注記がされた後で業績が改善するなどして、GC注記が解除されたりするケースもあったりしますから、いずれにせよ慎重な判断が必要になります。
次回は、「有税処理」についてお話ししたいと思います。
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