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このブログ記事は、2018年4月12日に改題・更新しました。
今回は、「買い手」と「売り手」の力関係について考えみたいと思います。
本当に大企業の方が強いのか?
下請けの仕事をしている中小企業の経営者であるあなたは、「相手は大手だから、ここはウチが泣くしかない……」というような悔しい経験をしたことはないでしょうか?
昔から、「下請けいじめ」はよくありましたが、単純に、企業規模の大きさが取引の力関係までも決めてしまうと思い込んでいる人は少なくないように感じます。
しかし、本当にそうでしょうか?
確かに、同じ売り手として比較するならば、ネームバリュー(=知名度)や取扱量などの違いから、一般的に大企業の方が中小企業よりも強いというのは肯けますが、買い手と売り手としての関係ならば、必ずしも大企業の方が強いとは限りません。
買い手と売り手の力関係を分析してみると……
買い手と売り手の力関係を分析すると、主に、両者の力関係に影響を与えるのは、
1.買い手と売り手の数
2.扱っている財・サービスの希少性
の2つであることが見えてきます。
そして、大企業はこれら2つの要件を満たしていることが、中小企業と比べて一般的に多いため、無条件に“大企業の方が強いはず!”と多くの人が思い込んでしまっているのです。
例えば、買い手が大手のメーカーであり、売り手が中小零細企業であったとしても、取引をしている商品が、その中小零細企業でなければ製造できない特殊なものであるような場合であれば、取引条件は売り手である中小零細企業の方が有利になるはずです。
このように、1.売り手の数が少なく、2.扱っている財・サービスの希少性が高まると、買い手の側はこれらの要件を満たした売り手から購入する必然性が高まり、他の買い手に購入されないように、たとえ不利な条件であっても受け入れなければならなくなります。
つまり、買い手と売り手の力関係は、単純に、企業規模の大きさだけでは決まらないのです。
買い手と売り手の力関係は変えられるのか?
あなたが経営している会社でも、1.買い手の数を増やしたり、2.扱っている財・サービスの希少性を高めたりすることができるのであれば、意図的に力関係を変えることは可能です。
但し、2.の希少性の条件については、多くの買い手が欲しがるものであることが前提です。
例えば、ある大手メーカーの専用部品しか供給できないようなケースだと、いくら希少性があったとしても、他の買い手がいないため、力関係は変えられません。
いずれにせよ、1.の要件については、あなたが経営している会社のマーケティング力や営業力を高める必要がありますし、2.の要件についても、他社が簡単にはマネできないような仕組みを作ったりしなければなりません。
当然ですが、どちらも簡単にできるようなものではありませんから、並はずれた努力が必要になります。
けれども、自らの存在感を示しつつ、これからの厳しい競争時代を生き残っていくには、それしか手がないのではないでしょうか?
もちろん、私がいるサムライ業界でもそれは同じなのですが……
次回は、仕事を「依頼する側」と「依頼される側」の力関係について解説したいと思います。
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