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このブログ記事は、2018年8月12日に改題・更新しました。
今回は、「在庫のメリットとデメリット」について考えてみたいと思います。
在庫の役割とは?
例えば、ある商品について「100個ぐらいは販売できるだろう」と予測しているのだとしたら、中小企業の経営者であるあなたなら、販売予測に合わせて100個だけ用意するのではなく、少し多めに商品を用意するのではないでしょうか?
なぜなら、予測よりも販売が好調であったような場合、すぐには商品を調達できない恐れがあるので、商売人なら、このような場合に備えて少し在庫を持っていたいという心理が働くはずだからです。
このように、在庫にはアブソーバー(=緩衝材)としての役割があるので、多くの企業が何かがあった場合に備えて在庫を抱えてしまうことになります。
しかし、在庫はキャッシュが姿を変えたものだと考えることができますから、在庫を多く持つということは、その分、手元のキャッシュを減らすことに繋がります。
比較的短期に販売することが可能であれば、資金的に困るようなことはあまりないのかもしれませんが、販売するまでに長期間を要するような場合であれば、資金的にはとても厳しくなります。
そして、最悪の場合には、資金ショートを起こしてあっけなく倒産してしまいます。
このように考えれば、在庫は“悪いもの”ということになるでしょう。
その差は一体どこにあるのか?
けれども、一方では在庫を増やすことで売上を伸ばしたり、利益を増やしたりしている企業も存在しています。アマゾンなどがそうです。
このように、世の中には、在庫を増やすことで倒産する企業もあれば、在庫を増やすことで繁盛する企業もあります。その差は一体どこにあるのでしょうか?
先ほど、在庫はキャッシュが姿を変えたものだと説明しましたが、そうだとするなら、在庫はいずれ再びキャッシュとなって企業に富をもたらすものだと考えることもできます。
つまり、在庫を多く持つということは、利益を上乗せした分だけ、将来のキャッシュを増やすことに繋がるということです。
例えば、あまり需要がないような商品であっても、ずっと劣化しないのであれば長期間在庫になっていても何の問題はありませんし、他に誰も取り扱っていない商品であれば、顧客はその企業から購入するしかありませんから、適正価格で販売することが可能になります。
あとは、在庫となった商品が販売されるまでずっと待つことができるのであれば、いずれキャッシュを増やすことができるわけです。
このように考えれば、在庫は“良いもの”ということになるでしょう。
このように、企業が置かれている条件(扱っている商品の性質、保有しているキャッシュの量など)によって、在庫は“悪いもの”にも“良いもの”にもなるのです……
次回は、「赤字の影響」についてお話ししたいと思います。
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