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このブログ記事は、2019年2月6日に改題・更新しました。
今回は、「決算書を利用できる限界」についてお話ししたいと思います。
経営者であれば誰しもが考えてしまうけど……
中小企業の経営者であるあなたは、「決算書を企業経営に役立てることはできないか?」と考えたことはないでしょうか?
自社で決算書を作成している場合はもちろんのこと、決算書の作成を会計事務所に丸投げしている場合であっても、せっかく安くない報酬を支払っているのですから、「何とか決算書を利用する術がないものか……」と考えてしまうのは当然のことだと思います。
ただ、決算書というものは、株主や債権者などの企業の外にいる利害関係者に対して、企業の経営状態を要約して知らせるために作成されるものなので、「鳥の目」や「魚の目」を使って問題の“取っ掛かり”を見つけ出すには格好の情報源になり得ますが、そこから先の「虫の目」を使って個別具体的な問題を探求するのにはあまり向いていません。
例えば、あなたが経営している会社の販売力を強化するのに決算書を利用できないかを考えてみましょう。
そこで、あなたが経営している会社の損益計算書の売上高の欄を見てみてください。
どうです?そこから何か会社の販売力を強化するのに使えそうな情報は得られましたか?
どう頑張っても、「○年のウチの売上は××円だったか……」ということくらいしか思いつかなかったはずです。
それでは、過去の決算書を引っぱり出してきて比較してみたらどうでしょう?
これも「売上高が××円増えている(減っている)、あるいは、△%増えている(減っている)」といったような大まかな傾向が把握できるだけであり、到底、このような情報だけでは販売力を強化するのには使えませんよね。
どうすれば、もっと企業経営に役立てることができるのか?
残念ながら、決算書だけでは企業経営に役立てるのには限界があります。
そこで、決算書を使って問題の“取っ掛かり”を見つけ出した後は、決算書を作成するための基礎になった元データを使いましょう。
例えば、売上高について見てみると、売上金額は数量×単価で求められますが、
- 誰に売ったのか(顧客別の数量情報)
- 誰が売ったのか(営業員別の数量情報)
- どこで売ったのか(エリア別の数量情報)
- 何を売ったのか(商品別の数量情報)
といった具合に、数量に関する元データをチェックして、数量情報をカテゴリーごとに細分化して整理をすることで、どこに問題があるのかを「虫の目」を使って深掘りすることが可能になります。
更には、エリア別の数量情報と商品別の数量情報を組み合わせて見ることで「どの地域で、どのような商品が売れているのか?」といった傾向を把握することもできますし、又、顧客別の数量情報や営業員別の数量情報を見ることで「フォローすべき顧客や営業員は誰なのか?」を識別することが可能になります。
もちろん、これ以外の問題についても、元データをカテゴリーごとに細分化して整理をすれば、どこに問題があるのかを同じように深掘りすることが可能です。
次回も、「決算書を利用できる限界」ついて解説してみたいと思います。
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