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このブログ記事は、2018年6月12日に改題・更新しました。
今回は、経費と売上の関係を「見える化」することについて考えてみたいと思います。
経費は売上獲得に貢献している……
中小企業の経営者であるあなたは、利益が減少している時に、それに合わせて経費*を削減するようにアドバイスをされたことはないでしょうか?
*ここでいう経費とは、販売費及び一般管理費や営業費と呼ばれるものを指しています。
確かに、利益は売上から経費などの費用を差し引くことで求められますから、利益を増やすためには経費を削減すれば良いというのは、一見、正しいアドバイスのようにも思えます。
けれども、このアドバイスは「経費が売上獲得に貢献している」という基本的な関係を見落としているため、明らかに無駄な経費が発生している場合とか、事業規模を縮小しても一向に構わないような場合を除き、正しいアドバイスとはいえません。
くれぐれも勘違いして欲しくないのですが、私は「経費を削減するな!」といっているわけではありません。
利益は売上から経費などの費用を差し引くことで求められるという関係がある以上、“企業は経費を削減しなければならない!”という宿命から逃れることはできません。
けれども、それは平時から継続的に行われる原価低減活動などによって行われるべきものであり、長い期間をかけて達成されるべきものなのです。
経費と売上の関係を「見える化」するには……
経費は大きく分けて「注文獲得費」「注文履行費」「一般管理費」の3つに分類できます。
まず、注文獲得費とは、顧客の購買心を喚起させるのに要するものであり、広告宣伝費や交際費などが該当します。
次に、注文履行費とは、販売ないしは受注の結果として発生するものであり、保管費や運送費などが該当します。
最後に、一般管理費とは、一般管理業務に関連して発生するものであり、本社スタッフの給料や研究開発費などが該当します。
経費の場合、注文履行費を除いて、非反復的に発生する費目が多いことから、製造原価のように標準原価を設定することが難しく、専ら「経費と売上の関係」に着目して、売上を増やすことの方に管理の主眼が置かれます。
ただ、「経費が売上獲得に貢献している」という関係が存在していることは明らかであっても、売上の増減が何に強く影響を受けているのかが分かりにくいため、経費の発生が“どれくらい”売上獲得に貢献しているのかという効果測定を客観的に行うのは極めて難しいというのが実情です。
つまり、利益を減らさないように経費を削減するには、経費と売上の関係を「見える化」することが必要になりますが、この経費と売上の関係を「見える化」することは非常に難しいということです。
但し、高額な管理システムなどを導入しなくても、経費と売上の関係に対する仮説を立てて、仮説を裏付けるデータを適時に入手できるようにすれば、経費と売上の関係を「見える化」することは十分に可能です。
後は、あなたにやる気があるかどうかだけですが……
次回は、知識創造の観点から、知識の「見える化」について解説したいと思います。
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