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このブログ記事は、2020年1月7日に改題・更新しました。
今回は、「経営理念や経営ビジョンの効果」について考えてみたいと思います。
経営理念や経営ビジョンの意外な働き
あなたが経営している会社には、経営理念や経営ビジョンはあるでしょうか?
ちなみに、経営理念というのは、企業の使命や価値観を表したものであり、いわば経営者の思いを第三者にも理解できるように表現したものです。又、経営ビジョンというのは、(経営理念の存在を前提として)企業として目指す姿をイメージとして表したものです。
実は、経営理念や経営ビジョンには、経営者が“企業としてこうありたい!”と本気で思っていることを、優先順位も含めて、明確に表現できているのであれば、そのような価値観に賛同してくれる人々を黙示的に企業へ引き寄せるという働きがあります。
なぜなら、人間は自分と同じような価値観を持つものに対して、強い好意を抱くという性質を持っているからです。
そのため、経営理念や経営ビジョンの中で熱意の必要性を一番に掲げているような企業であれば、熱い気持ちが最も必要だと感じる人々を多く引き寄せることになりますし、経営理念や経営ビジョンの中に協調性の重要性を一番に掲げているような企業であれば、周りとの調和を保つことを最も重視する人々を多く引き寄せることになります。
ただでさえ人手が不足しているのに……
このような経営理念や経営ビジョンの効果を、従業員として働くかどうかを検討している者の立場から見ると、その企業が掲げている経営理念や経営ビジョンは企業の特徴を表すシグナルとしての役割を果していることになります。
つまり、自分の価値観に合った企業がどれなのかを識別するための目印として、経営理念や経営ビジョンは機能していることになるのです。
それなのに、企業が掲げている経営理念や経営ビジョンが経営者の本当の気持ちと大きく乖離しているような場合、そのような経営理念や経営ビジョンに魅かれて、従業員として働くことを決めた者からすれば、騙された気持ちになるでしょうから、その企業で働く意欲をなくし、最悪の場合にはすぐに辞めてしまうことになります。
更に、最近ではSNSなどによりネガティブな情報は瞬く間に拡散してしまうので、「平気でウソをつくような企業らしい……」と世間で噂になってしまうと、ただでさえ人手が不足しているのに、多くの人々に敬遠されてしまうことで、企業の存続を危ぶませることにもなりかねません。
ですから、軽い気持ちや邪な気持ちで経営理念や経営ビジョンを作成するぐらいなら、経営理念や経営ビジョンを作成しない方がずっとマシです。
けれども、経営理念や経営ビジョンを作成することには、先ほど説明したように、企業にとって望ましい人々を黙示的に引き寄せる効果もあるので、経営者の本当の思いを経営理念や経営ビジョンに反映させるのであれば、有能な人材を集めることが難しい中小企業にとっては有効な手段の一つになるはずです。
次回は、「給与とやる気の関係」について解説したいと思います。
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