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このブログ記事は、2018年5月13日に改題・更新しました。
今回は、事業を続けていくためには変わり続けなければならないということについて解説してみたいと思います。
「起業家」と「企業家」
あなたは「起業家」と「企業家」の違いについて、ちゃんと答えられるでしょうか?
一般に「企業家」というのは企業経営を行う人を指す言葉ですが、意図して「企業家」という言葉を使うような場合には、高名な経済学者であるシュンペーターによって定義されている
- まだ消費者に知られていない新しい商品や商品の新しい品質の開発
- 未知の生産方法の開発
- 従来参加していなかった市場の開拓
- 原料ないし半製品の新しい供給源の獲得
- 新しい組織の実現
からなる「イノベーション(新結合)」を行なって、世の中に新しい風を起こすような創造的な役割をする人のことを意味します。この場合には、スティーブ・ジョブズなどがその代表例といえるでしょう。
一方、「起業家」は新しく事業を起こす人のことですから、同じ“きぎょうか”と発音していても両者は全く異なることになります。
「起業家」から「企業家」になるためには……
何か新しい事業を閃いて創業・起業することができれば、直ぐに「起業家」になることはできますが、世の中に新しい風を起こすような創造的な役割をする「企業家」になるためには、その前提として、創業・起業した事業を成長させて、経営を継続できるようにしなければなりません。
高確率で企業経営の勝者になるための方法?(創業・起業の思考法!その2)で述べたように、創業・起業したばかりの頃は、チャンスが来るまでは大きな勝負に出ることは避けて慎重な経営に徹することが大事になってきますが、事業が成長軌道に乗って業績が安定するようになると、今度は自らが“変化をすること”を意識しなければならなくなります。
なぜなら、昔のように長期に渡って経営環境が安定しているようなことはないからです。それどころか、経営環境が安定している期間はどんどん短くなっています。
そのため、長く事業を続けていくためには、経営環境の変化に合わせて、自らの思考や行動のパターンを変化させていかなければなりません。
けれども、人はもともと保守的な生物ですから、変化をすることを本能的に嫌います。
私は職業柄、経営者の方たちに“変化をすること”を提案する機会が多いのですが、残念なことに、かなり厳しい状況に追い込まれている人に限って、「その内に……」という返事をして問題を先送りしようとします。
残酷なようですが、変わる気がない人を無理に変えさせようとしても、あの手この手で思考回路を切り替えて現実逃避をするだけですから、彼らが現実を受け入れられるようになるまで放っておくしか私には手がありません。
創業・起業を考えている、もしくは、創業・起業をしたばかりのあなたには、これらの話はまだピンとこないかもしれませんが、無事にスタートアップ期を切り抜けることができれば、“変化をすること”の本当の難しさに気がつくはずです。
さて、その時にあなたは「企業家」への第一歩を踏み出せるでしょうか?
次回は、副業として創業・起業することの是非についてお話ししたいと思います。
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