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このブログ記事は、2019年11月4日に改題・更新しました。
今回は、「倒産件数は減少しているのに、休廃業や解散は増加傾向にある理由」について考えてみたいと思います。
確かに、倒産件数は減少していますが……
倒産件数について、東京商工リサーチから発表されている『(年間)全国企業倒産状況』を見てみると、2008年の15,646件から毎年ずっと減少していることが分かります。*1
*1倒産件数は、2008年は15,646件、2009年は15,480件、2010年は13,321件、2011年は12,734件、2012年は12,124件、2013年は10,855件、2014年は9,731件、2015年は8,812件、2016年は8,446件、2017年は8,405件、2018年は8,235件となっています。(出典:東京商工リサーチから発表されている各年の『(年間)全国企業倒産状況』)
しかし、ここで倒産として処理されているものには、自主廃業によって事業活動を停止したものなどは含まれていないため、単純に倒産件数の推移を見るだけでは経済状況がどうなっているのかを判断することはできません。

実際、東京商工リサーチから発表されている『2018年「休廃業・解散企業」動向調査』を見ると、ここ数年の休廃業や解散した企業数は増加傾向が続いている*2ため、これらを考慮すると、実態としては状況がどんどん悪くなっていると推測することもできます。
*2休廃業・解散企業数は、2013年は34,800件、2014年は33,475件、2015年は37,548件、2016年は41,162件、2017年は40,909件、2018年は46,724件となっています。(出典:東京商工リサーチから発表されている『2018年「休廃業・解散企業」動向調査』)
なぜ、こんなことになっているのか?
それでは、このような「倒産件数は減少しているのに、休廃業・解散企業数は増加傾向にある」という現象をどのように解釈するべきなのでしょうか?

そもそも「倒産」という用語は正式な法律用語ではなく、一般的には「法的整理の手続きが開始されること」あるいは「手形交換所から取引停止処分を受けること」などを指している用語だと解釈されています。
そのため、「倒産件数は減少しているのに、休廃業・解散企業数は増加傾向にある」ことの理由として、倒産してしまう前に、自主的に休廃業・解散することを選択する企業が増えていることが考えられます。
但し、倒産件数が減少しているペース以上に休廃業・解散企業数は増加傾向にあるため、倒産よりも自主廃業などが選択されているという理由だけでは、「倒産件数は減少しているのに、休廃業・解散企業数は増加傾向にある」という現象の全てを説明しきれていません。
そこで、最も説得力がある説明は、自社の将来性を危ぶんでいる経営者が高齢になってきたことなどを理由に次々と廃業しているというものでしょう。
そうだとすると、現在の日本は大きな曲がり角をむかえているようにも見えますが、まだ余力がある内に廃業するというのは賢明な選択の一つだと個人的には思います。
なぜなら、ただ黒字であるというだけでなく、その事業に将来性があると判断できるような場合であれば話は別ですが、そうでないのなら、自力で問題解決ができるうちに廃業させた方が、かえって取引先などの利害関係者に大きなダメージを与えずにすむからです。

それに、このような問題の根幹にあるのは、欧米と比べて、日本では成長が期待できるような魅力的な事業が育ちにくいことなのですから、経営支援の名のもとに事業の継続を半ば強制するよりも、国として、もっと「撤退障壁」を下げていく努力をするべきだと思うのですが……
次回は、「短期的視点からの企業経営」と「中長期的視点からの企業経営」の優劣についてお話ししたいと思います。
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