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このブログ記事は、2018年5月9日に改題・更新しました。
今回は、機械的組織と有機的組織についてお話ししたいと思います。
再び、組織は戦略に従う!
中小企業の経営者であるあなたは、「組織は戦略に従う」というのを聞いたことがあるでしょうか?
これは、1920年代のアメリカ企業の多くが、多角化戦略を採用すると、職能別組織から事業部制組織へと組織構造を変化させていた現象から、アルフレッド・D・チャンドラーという人が導き出した命題のことです。
それでは、競争戦略の場合でも、選択した競争戦略の違いが組織構造に影響を与えるのでしょうか?
競争戦略の場合……
マイケル・E・ポーターによると、競争戦略は「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」の3つに分類されますが、この内、集中戦略については「コスト集中戦略」と「差別化集中戦略」に分けられますから、競争戦略は大きく、“低価格”を武器とする戦略と、“差別化”を武器とする戦略に分けることができます。
ここで、選択した競争戦略の違いが組織にも影響を与えるのであれば、“低価格”を武器とする戦略を採用した企業と、“差別化”を武器とする戦略を採用した企業では、おのずと組織構造は違うものになるはずです。
しかし、残念ながら、この場合には組織の形態(≒組織図)に違いは表れません。
なぜなら、多角化戦略の場合と違って、競争戦略の違いは事業部の権限の範囲に影響を及ぼさないので、部門の編成の仕方に変化をもたらさないからです。
けれども、事業部の各構成員に付与されるべき権限の性質には違いが生まれるため、望ましい組織の性質には違いが表れてきます。
機械的組織と有機的組織
組織を性質の観点から分類すると、「機械的組織」と「有機的組織」に分けられます。
バーンズとストーカーによると、機械的組織とは職務や権限の内容が明確に規定されている組織のことであり、有機的組織とは職務や権限の内容が柔軟である組織のことです。
そのため、機械的組織の情報伝達の経路は垂直的なものとなり、上層部へ情報が集中するのに対して、有機的組織の情報伝達の経路は水平的なものとなり、情報が各部署へ分散することになります。
“低価格”を武器とする戦略を採用した企業の場合、徹底したコストカットが要求されることになりますから、あらかじめ決められたオペレーションを効率的にこなすことが強く要請され、それに適した機械的組織の方が望ましいということになります。
一方、“差別化”を武器とする戦略を採用した企業の場合、差別化の核となる特異性を極限まで高められる工夫が必要になりますから、効率性よりも組織のメンバーの創意工夫が強く求められ、そのために各自の自主性が重んじられる有機的組織の方が望ましいということになります。
このように、競争戦略の場合でも「組織は戦略に従う」の命題に従って、選択した競争戦略の違いが組織構造(この場合は組織の性質)に影響を与えることになります。
次回は、「官僚制組織」について解説したいと思います。
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