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このブログ記事は、2019年2月6日に改題・更新しました。
今回は、「キャッシュ・フロー計算書」についてお話ししたいと思います。
キャッシュ・フロー計算書が開示している情報とは?
中小企業の経営者であるあなたは、「キャッシュ・フロー計算書」がどのような情報を開示しているのかを理解できているでしょうか?
貸借対照表、損益計算書と並んで「基本財務3表」の一つとされるキャッシュ・フロー計算書ですが、それぞれの決算書の関係をきちんと理解できていますか?(中小企業経営者のための決算書入門!その2)でも説明したように、中小企業については、上場企業のようにキャッシュ・フロー計算書を作成する必要はありません。
そのためなのか、キャッシュ・フロー計算書については、それがどういう情報を開示しているのかを誤解をしている人が結構います。
最も多い誤解は、キャッシュ・フロー計算書が資金繰りに関する情報を開示しているというものですが、もしそうだとすると、キャッシュ・フロー計算書で開示している情報は既に過去のものですから、“資金が足りていた”あるいは“資金が足りていなかった(この場合、放っておくと直ぐに倒産してしまう危険がありますが……)”という形でしか情報を活用することができません。
ですから、キャッシュ・フロー計算書は資金繰りに関する情報を開示しているのではなく、活動別のキャッシュの動きに関する情報を開示していることになります。
活動別のキャッシュの動きに関する情報を開示する?
それでは、なぜ、キャッシュ・フロー計算書で活動別のキャッシュの動きに関する情報を開示することが必要になるのでしょうか?
例えば、前期から当期にかけてキャッシュ(=現金及び現金同等物)が増加しているとします。
この時に、「売上による収入が順調に増えていることが原因でキャッシュが増加している場合」と「当期の期末付近で短期借入れを行ったことが原因でキャッシュが増加している場合」とでは、キャッシュが同じように増加していても、背後にある事情が全く異なるので、これらを同じようなものだと判断することはできないはずです。
そのため、 “どのような活動によってキャッシュが増えたのか?(あるいは、減ったのか?)”ということを情報として開示することが重要になるのです。
そこで、キャッシュ・フロー計算書では、「営業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」に大別して、それぞれのキャッシュの動きに関する情報を開示しています。
更には、このような活動ごとのキャッシュフローのバランスがそれぞれどうなっているのか?(例えば、投資活動の支出が営業活動の収入によって賄われているのか?それとも、財務活動による収入によって賄われているのか?)なども、キャッシュ・フロー計算書で開示される情報を見ることで把握できるようになります。
次回は、「株主資本等変動計算書」と「製造原価報告書」について解説してみたいと思います。
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