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このブログ記事は、2019年2月5日に改題・更新しました。
今回は、「決算書の内容とその関係」についてお話ししたいと思います。
決算書にはどのようなものがあるのか?
中小企業の経営者であるあなたは、「決算書にはどのようなものがあるのか?」と聞かれたら、きちんと答えることができるでしょうか?
ちなみに、決算書とは「貸借対照表」や「損益計算書」などのことであり、「財務諸表」や「計算書類」と呼ばれることもあります。
実は、決算書(正確には「財務諸表」ですが……)には、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「キャッシュ・フロー計算書」「製造原価報告書」の5つがあります。
けれども、中小企業が必ず作成しなければならないのは、これらの内、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」だけであり、「キャッシュ・フロー計算書」や「製造原価報告書」については作成する必要がありません。
更に、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」についても、上場企業が金融商品取引法会計(以下、金商法会計という。)に従って作成する場合と中小企業が会社法会計に従って作成する場合とでは、開示する情報の詳細さに差があります。
もちろん、金商法会計の方が「貸借対照表」や「損益計算書」などの作成基準が細かく定められているので、その作成にはかなり専門的な知識が必要となります。
それぞれの決算書の関係……
「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「キャッシュ・フロー計算書」「製造原価報告書」の内、ストックに関する情報を表しているのは「貸借対照表」のみであり、「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「キャッシュ・フロー計算書」「製造原価報告書」についてはフローに関する情報を表しています。
ここで、ストックに関する情報とフローに関する情報が、それぞれ何を意味するのかを簡単に解説すると、ストックに関する情報とは“結果”のことであり、フローに関する情報とは“増減理由”のことです。
つまり、前期と当期の「貸借対照表」の現金預金*の残高(=結果)の増減理由を「キャッシュ・フロー計算書」で説明し、前期と当期の純資産の部の残高(=結果)の増減理由を「株主資本等変動計算書」で説明しているという関係にあります。
*現金預金とキャッシュ(=現金及び現金同等物)の残高はそれぞれ範囲が異なるため一致しませんが、それらの差異について注記が必要なので、これを使って内容を把握することができます。
又、「株主資本等変動計算書」で示されている当期純利益の内訳を「損益計算書」で捕捉説明し、製造を行っている上場企業については、「損益計算書」で示されている当期製品製造原価の内訳を「製造原価報告書」で補足説明しているという関係にあります。
このように、それぞれの決算書の関係は、ストックに関する情報を表している「貸借対照表」を中心に見ていくことで全体像を上手く把握することができます。
次回は、「貸借対照表」について解説してみたいと思います。
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