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このブログ記事は、2018年7月16日に改題・更新しました。
今回は、経営戦略と管理会計の関係について考えてみたいと思います。
会計は戦略に従う?
中小企業の経営者であるあなたは、「会計は戦略に従う」というのを聞いたことがあるでしょうか?
これは「組織は戦略に従う」をもじった私の造語なので、さすがに聞いたことはないと思いますが、管理会計*は企業が採用している経営戦略と整合しているものでなければ、その機能を十分に発揮することは難しいという意味の造語です。
*経営者の意思決定や経営管理などに役立てるために行われる会計のことです。
実は、財務会計や税務会計と違って、管理会計にはあらかじめ定められた型のようなものがありません。
そのため、それぞれの企業に合うものをそれぞれの企業ごとに定める必要があります。
いくら経営者であるあなたが気に入ったとしても、あなたの会社が採用している経営戦略とは相性が悪いものを無理に取り入れたのでは、それらの機能を十分に発揮することはできません。
ですから、少し面倒ではあっても、あなたの会社が採用している経営戦略をきちんと見極めた上で、それと整合している管理会計を構築する必要があるのです。
戦略は会計に従う?
それでは、「戦略は会計に従う」というのは聞いたことがあるでしょうか?
こちらも「戦略は組織に従う」をもじった私の造語なので、もちろん聞いたことがないと思いますが、企業が採用しようとする経営戦略の内容は、企業が現在使っている管理会計に影響を受けてしまうという意味の造語です。
普通、経営判断を行うのに必要な情報は管理会計などを通して入手されることになりますから、管理会計がどんな情報を経営者に伝えるのかによって、経営戦略の内容は多少なりとも影響を受けることになります。
例えば、かなり細かな情報まで報告するような管理会計が構築されている場合だと、情報作成にかなりの時間を要してしまうでしょうから、情報の正確さを重視するような経営戦略を採用するには何ら問題はありませんが、スピードを重視するような経営戦略を採用することは難しいはずです。
更にいうなら、そのような管理会計を使っている経営者であれば、もっとスピードを重視して、簡略化された情報であってもどんどん報告させるということを発想すること自体が難しいかもしれません。
経営戦略と管理会計の関係
このように、経営戦略と管理会計は企業経営における車の両輪のような関係にありますから、経営戦略と管理会計の関係が上手くいっているのかをきちんと把握しておく必要があるでしょう。
もちろん、まずは経営戦略があって、そのために管理会計が存在するという関係が基本にはなりますが、それでも、管理会計の優劣が経営戦略の優劣にも影響を及ぼすという関係は見過ごせません。
さて、あなたが経営する会社では、経営戦略と管理会計の関係はどうなっているのでしょうか?
次回は、経営指標と会計の役割について解説したいと思います。
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