知識を見える化して、組織として活用するには……(見える化をしよう!その7)

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このブログ記事は、2018年6月12日に改題・更新しました。

今回は、知識の「見える化」について考えてみたいと思います。

情報(Information)と知識(Knowledge)の違い?

いきなりですが、中小企業の経営者であるあなたは「情報(Information)」と「知識(Knowledge)」の違いについてきちんと答えられるでしょうか?

「情報(Information)」と「知識(Knowledge)」の違い……

DINWモデルによると、「情報(Information)」とは、ただの数字や記号などを表しているに過ぎない「データ(Date)」を何らかの関係性によって整理し、これら「データ(Date)」の集まりに意味づけをしたものだと説明されます。

例えば、ある月の売上高を示したものはただの「データ(Date)」に過ぎませんが、各月の売上高の推移を示したものになると「情報(Information)」になるということです。

一方、「知識(Knowledge)」とは、このような「情報(Information)」を組み合わせたり、分析したりすることで何かしらの解釈を付け加えたものだと説明されます。

例えば、今年の売上高の推移を前年の売上高の推移と比較することで、“売上高はここ数年横ばいである”といったような解釈を付け加えたものが「知識(Knowledge)」になるということです。

更には、「知識(Knowledge)」の上位に位置するものとして「知恵(Wisdom)」があります。

例えば、“なぜ売上高はここ数年横ばいなのか?”という理由を説明したものや“将来の売上高がどうなるのか?”という予測を根拠と合わせて説明したものは「知恵(Wisdom)」ということになるでしょう。

DIKWモデルの図

ナレッジ・マネジメントによって、知識を「見える化」できるのか?

実は、「知識(Knowledge)」や「情報(Information)」は、個人で保有するよりも組織として保有する方がずっと有効に活用することができます。

そこで、個人が保有する「知識(Knowledge)」や「情報(Information)」を「見える化」することによって組織全体で共有し、組織としての競争力を高めようとする「ナレッジ・マネジメント」という経営手法が注目を集めるようになりました。

けれども、ナレッジ・マネジメントが上手くいっている企業はそれほど多くありません。

その理由としては、先に説明したように「データ(Date)」→「情報(Information)」→「知識(Knowledge)」→「知恵(Wisdom)」と上位に進むにつれ、人の判断が複雑に介在するようになるためだと考えられます。

つまり、IT(情報技術)を駆使して機械的にデータベースを構築したとしても、属人性を排した状態では、「知識(Knowledge)」や「情報(Information)」を組織として活用することが非常に難しいということです。

「情報(Information)」や「知識(Knowledge)」を組織として活用するのは非常に難しい……

それに、ダニエル・ウェグナー氏が提唱している「トランザクティブ・メモリー(Transactive memory)」という考え方によると、組織の構成員の全てが「知識(Knowledge)」や「情報(Information)」を同じレベルで把握しておく必要はなく、組織内の誰が何に詳しいのか(Who knows what)をきちんと把握さえしておけば、組織として「知識(Knowledge)」や「情報(Information)」を十分に活用することができることになります。

そうだとすると、知識を「見える化」するには、高額なシステムを導入することよりも、“組織内のコミュニケーションをどうすれば活性化させられるのか?”をきちんと考えることの方がずっと大事!ということになるのではないでしょうか?

次回は、経費と売上の関係を「見える化」することについて解説したいと思います。

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