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今回は、「中小企業を対象にした公認会計士の仕事」について考えてみたいと思います。
中小企業を対象にした公認会計士の仕事
「公認会計士って何?」あるいは「公認会計士って何する人?」といった質問をよく受けます。
これについては、「公認会計士の知名度が低いから仕方がないか……」と思ってはいるのですが、公認会計士を知っている人でも、「公認会計士の仕事=会計監査=大企業相手の仕事」という図式でしか見ていない人が非常に多いのです。
けれども、会計監査は公認会計士が行っている仕事の一部でしかありませんし、公認会計士は大企業だけを相手に仕事を行っているわけでもありません。
今、私の手元には「中小企業支援は公認会計士にお任せください」と書かれた日本公認会計士協会が配布しているパンフレットがあるので、少しだけ中身を紹介してみると、
「企業の全てのライフステージにおいて、公認会計士はお役に立つことができます!」というキャッチコピー?のもと、
- 創業支援(起業支援のことです。)
- 成長支援
- 新たなる取り組みへの飛躍支援
- 企業の再生・廃業支援
という4つライフステージに対応させて、公認会計士の支援業務が記載されています。
例えば、1. 創業支援であれば、事業計画や資金調達支援、記帳代行や会計システムの構築、税務への対応、個人保証のない融資の応援(経営者保証に関するガイドライン)、内部統制の構築支援といった感じです。
内部統制の構築支援に関しては、上場企業と比べても遜色ないぐらいの規模の中小企業でなければ対象にはならないと思いますが、それ以外の業務については、たとえ零細企業であっても馴染みのあるものだと思います。
他にも、2. 成長支援であれば、事業計画策定支援(経営計画策定支援)や税務戦略などが、3. 新たなる取り組みへの飛躍支援であれば、事業承継支援などが、4. 企業の再生・廃業支援であれば、事業再生(金融機関対応支援)などが記載されています。
(尚、税務業務については、税理士の独占業務ですので、税理士登録している公認会計士が業務を行うことが前提となります。)
会計業界を巡る大人の事情……
もしかしたら、中小企業の経営者であるあなたは、先ほど説明した支援業務について、これって税理士の仕事じゃないの?と思われたかもしれません。
そこで、公認会計士の使命について見てみると、
公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。(公認会計士法第1条)となっており、
一方、税理士の使命について見てみると、
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。(税理士法第1条)となっています。
つまり、公認会計士は会計の専門家であり、税理士は税務の専門家なのです。
更には、国際的には会計の領域には税務も含まれると解釈されているため、日本以外のほとんどの国では、公認会計士の資格で税務業務をすることができます。
ちなみに、2016年6月20日現在の段階では、公認会計士が税理士登録をすることは可能ですが、税理士が公認会計士登録をすることはできません。(もちろん、税理士である者が、公認会計士試験に合格すると共に実務要件などをクリアして、公認会計士登録をすることはできますよ!)
次回は、「ビジネスモデルの有効期限」についてお話ししたいと思います。
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