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このブログ記事は、2019年10月4日に改題・更新しました。
今回は、「ゆでガエル(理論)」について解説してみたいと思います。
ゆでガエル(理論)とは何か?
中小企業の経営者であるあなたは、「ゆでガエル(理論)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「ゆでガエル(理論)」とは、カエルを入れた水を徐々に加熱すると、カエルは水が熱くなっていることに気がつかず、最後にはゆであがって死んでしまうというもので、経営環境が緩やかに変化していると、たとえ危機的状況になっていても、それに気がつかないことを揶揄したものです。
尚、実際に試してみると、カエルはゆであがる前に逃げ出してしまうそうです。
大塚家具の苦戦が続いていますが……
2015年3月に父娘間で派手な委任状争奪戦(プロキシーファイト)を繰り広げた大塚家具ですが、このブログ記事を更新している2019年10月4日時点でも大塚家具の苦戦は続いているようです。
現在も状況はさほど変わっていませんが、当時の家具業界では、大衆向けの低価格帯の家具市場が成長を続けているのに対して、市場全体としては低迷が続いていたことから、高級家具を得意とする大塚家具は今後どうするつもりなのかが注目されていました。
大塚家具が採れる選択肢としては、高級家具の市場規模に合わせて縮小均衡させる方法や大衆向けの低価格帯の家具市場へとシフトする方法などが考えられましたが、今になって振り返ってみると、当時の大塚家具が大衆向けの低価格帯の家具市場へとシフトするには、越えるべきハードルが多すぎて、すでにタイミングを失していたように思います。
つまり、大塚家具が大衆向けの低価格帯の家具市場へとシフトするつもりだったのなら、父の勝久氏が社長の時代(2009年より前)に決断する必要があったということです。
しかし、経営環境の悪化がゆっくりと進行し、又、その頃の大塚家具は今よりもずっと財務状態が良かったことから、関係者の多くが危機意識を持っていない「ゆでガエル(理論)」の状態だったのではないでしょうか?
実際、父の勝久氏は委任状争奪戦(プロキシーファイト)に勝利していれば、多少のテコ入れはするつもりだったとしても、その後も会員制を軸としたこれまでのやり方を続けていくつもりだったようですし、大きな改革を行う必要性はあまり感じていないように見えました。
けれども、これまでのやり方を続けていても、高級家具の市場規模はどんどん縮小していくでしょうから、「ゆでガエル(理論)」が示すように、ぬるま湯が熱湯になる前に飛び出さなければ、いずれはゆであがって死んでしまう(=高級家具の市場規模の縮小に合わせて大塚家具の事業規模をどんどん縮小させるしか方法がなくなる!)ことになります。
ですから、娘の久美子氏はとりあえず改革に着手することで、何らかの打開策が見つけられる可能性に賭けてみたかったのだと思います。
但し、どうせ改革をするのなら、売場での接客の仕方を変える、中価格帯の製品の割合を増やす等の改革ではなく、これまで大塚家具が培ってきた強みをもっと活かせる改革を進めていくべきだったでしょう。
まあ、私なら、富裕層を相手にした事業を横展開できるような改革をしますけどね……
次回は、「模倣戦略」についてお話ししたいと思います。
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