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このブログ記事は、2018年3月21日に改題・更新しました。
今回は、資金化のスピードについて考えてみたいと思います。
企業の安全性を見る指標!
キャッシュフローを使って企業の安全性(支払能力)を分析する場合、利益とキャッシュフローの切っても切れない関係?(知っているつもり?キャッシュフロー経営!その5)でも述べたように、売上債権や棚卸資産の増加はマイナスの影響を及ぼし、仕入債務の増加はプラスの影響を及ぼすことになります。
一方、同じ企業の安全性(支払能力)を見る指標として流動比率というものがあります。
流動比率=流動資産÷流動負債×100
指標の見方としては、高い比率の方が良く、(人によって見解は異なりますが)概ね150%~200%ぐらいが望ましいとされています。
尚、流動資産とは、当座資産(現金預金・売上債権・有価証券など)、棚卸資産(商品・仕掛品など)、その他流動資産(短期貸付金など)を指し、又、流動負債とは、仕入債務や1年以内に支払期限が到来する債務などを指します。
ちなみに、棚卸資産などについては直ぐには換金できない可能性が高いことから、より厳密に企業の安全性(支払能力)を分析する当座比率という指標もあります。
当座比率=当座資産÷流動負債×100
こちらも、指標の見方としては、高い比率の方がよく、(人によって見解は異なりますが)100%を超えることを目指すべきだとされています。
なぜ、違いが生まれるのか?
流動比率の場合、売上債権や棚卸資産の残高が多く、仕入債務の残高が少なければ、比率は高くなりますし、当座比率の場合であっても、売上債権の残高が多く、仕入債務の残高が少なければ比率は高くなりますから、キャッシュフローを使って企業の安全性(支払能力)を分析する場合と矛盾しているように思われます。
もちろん、キャッシュフロー分析の方は文字通りフロー情報を対象にしているのに対し、流動比率や当座比率の方はストック情報を対象にしているので、これらをそのまま比較することはできませんが、それでもこの違いは無視できません。
実は、両者の違いは、“資金化のスピードを考慮しているかどうか?”にあります。
中小企業の経営者であるあなたなら、もちろんご存知だと思いますが、売上債権が回収され資金化されるのはそれなりの時間がかかります。棚卸資産にいたっては、更に販売という行為が必要になりますからもっと時間がかかります。
それなのに、流動比率や当座比率は、流動負債の支払よりも売上債権や棚卸資産の入金の方が先になるという仮定を置いて分析をしているのです。
次回は、資金循環サイクルについて解説してみたいと思います。
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