戦略は経営理念に従う?(中小企業経営者のための組織論入門!その4)

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このブログ記事は、2018年5月9日に改題・更新しました。

今回は、経営理念と組織文化(企業文化)の関係についてお話ししたいと思います。

経営理念とは何か?

中小企業の経営者であるあなたは、経営コンサルタントから「経営理念を作りませんか?」と提案されたことはありませんか?

「経営理念」というのは、企業の使命や価値観を表したものであり、いわば経営者の思いを第三者にも理解できるように表現したものです。

それぞれの企業の経営理念を拝見させてもらうと、一行程度の短いものから何十行にもなる長いものまでいろいろです。

一方、経営理念によく似たものとして、「経営ビジョン」や「経営目標」というものもあります。

経営ビジョンというのは、(経営理念の存在を前提として)企業として目指す姿をイメージとして表したものであり、又、経営目標というのは、経営ビジョンをより具体的に数値などを交えて表現したものです。

経営理念→経営ビジョン→経営目標

このように、「経営理念」「経営ビジョン」「経営目標」は厳密にはそれぞれ異なるものなのですが、これらは経営者が“企業としてこうありたい!”という思いのようなものを関係者に明らかにしているものという点では共通しており、ほとんど同じようなものだと思ってもらって構いません。

組織文化(企業文化)とは何か?

戦略は組織に従う。(中小企業経営者のための組織論入門!その2)でも説明しましたが、組織文化(企業文化)とは、従業員などの組織の構成員によって共有されている共通の信念や考え方のパターンのようなもののことです。

複数の会社にお勤めになったことがある人なら、それぞれの会社ごとに、その会社独自の暗黙のルールのようなものを感じたことがあるでしょう。

正にそれが、組織文化(企業文化)です。

組織文化(企業文化)の特徴は、従業員などの組織の構成員の行動に対して暗黙的な規律を与えられるところです。

組織文化(企業文化)は組織の構成員の行動に(暗黙的に)影響を及ぼす!

そのため、組織文化(企業文化)を上手く利用することができれば、従業員などの組織の構成員に対していちいち細かな指示を与えたりしなくても、企業にとって望ましい行動を自主的にとらせることが(理屈の上では)可能になります。

実は、経営理念は組織文化(企業文化)に大きな影響を与えることができるものの一つであると考えられています。つまり、経営理念は従業員などの組織の構成員の行動に(暗黙的に)影響を及ぼすということです。

更には、戦略は組織に従う。(中小企業経営者のための組織論入門!その2)で説明したロジックを使って考えると、経営理念は組織文化(企業文化)に影響を与えることで、立案される経営戦略の内容にまで影響を及ぼすことになります。

経営理念は組織文化(企業文化)の形成に影響を与え、経営戦略の内容にも影響を及ぼす!

ですから、もし、あなたが「何だかよく分からないけど、とりあえず形だけでも整えておくか……」という軽い気持ちで経営理念を作ったのだとしたら、後で後悔することになるかもしれません……

次回は、機械的組織と有機的組織について解説したいと思います。

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