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このブログ記事は、2018年4月12日に改題・更新しました。
今回は、下請けの立場でいることのメリット・デメリットについて考えみたいと思います。
下請けにもメリットはある!
なぜ、中小企業の経営者であるあなたは、そんなに不満を感じているのに、まだ下請けの仕事を続けているのでしょうか?
それは、下請けでいることに、(無意識のうちに)メリットを感じているからではないでしょうか?
例えば、下請けをしていれば、親事業者からまとまった量の仕事が確保できるので、設備や人員などの稼働率を一定以上に維持することが可能になり、それらを遊ばせておくようなことが少なくなります。
又、下請けをしていれば、ある程度の売上が見込めるはずですから、無理をしてまで新しい取引先を獲得する必要はなく、新規の顧客を開拓するためのマーケティングや営業活動のための費用を節約することもできます。
取引価格の低下は避けられない?
ただ、下請け企業にとっての売上は、親事業者から見ればコスト以外の何ものでもありませんから、市場で取引をする場合と比べて、どうしても取引価格を低く抑えられてしまう傾向があるのは否めません。
それでも、昔であれば、一度の取引では採算がとれないような低い価格であったとしても、市場が成長して取引量が増えていけば、規模の経済が働くことで採算がとれるようになっていました。
けれども、現在では、製造業においては、人件費の安い海外企業が台頭し、要求される品質基準を満たしつつ、日本で生産するよりも安価に生産することが可能になったために、日本の下請け企業が仕事を受注することは難しくなりました。
一方、建設業においても、長引く不況からデフレ圧力がとても強くなり、親事業者も自らが生き残るために大幅なコストの引き下げを余儀なくされたために、そもそも下請け企業が採算をとれるような価格で取引をすること自体が難しくなってきました。
つまり、メリットよりもデメリットが上回ることの方が多くなってしまったのです。
下請けを続けるべきかを悩んでいるのなら……
もし、下請けの仕事を続けるべきかどうかで悩んでいるのなら、まずはきちんと採算がとれているのかをチェックしてみてください。
この際に注意しなければならないのは、ちゃんと管理会計によって正確に利益を計算することです。(残念ながら、中小企業のほとんどは税務会計しか行っていないため、実際よりも利益が過大に計上されています……)
そして、採算がとれていない場合はもちろんのこと、採算がとれているような場合であっても、きちんと自分なりの戦略を持って、主体的な行動ができるようにならなければなりません。
その際に、どうせ自分たちは弱者だから……とあきらめるのではなく、「どうすれば少しでも有利な条件で取引ができるようになるのか?」を徹底的に考え抜いてください。
親事業者から言われるままに、ただまじめにコツコツやっていれば何とかなっていた時代はとっくの昔に終わっています。もう昔には戻れません……
次回は、「買い手」と「売り手」の力関係について解説したいと思います。
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