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このブログ記事は、2020年4月19日に改題・更新しました。
今回は、「スイッチングコスト」について解説してみたいと思います。
スイッチングコストとは何か?
中小企業の経営者であるあなたは、これまでに「他の企業に顧客を取られないようにするにはどうすれば……」と思ったことはないでしょうか?
実は、他の企業に顧客を取られないようにするには「スイッチングコスト」が高くなるようにすればよいのです。
尚、スイッチングコストとは、現在使用している製品やサービスを他の製品やサービスに変更する場合に生じるコストのことですが、これには、金銭的な支出が伴うもの(金銭的コスト)だけでなく、変更することによって生じる手間(物理的コスト)や、心理的な負担(心理的コスト)も含まれます。
例えば、あなたがカルチャースクールを営んでいるようなケースを想像してみてください。
あなたのカルチャースクールを辞める際には違約金が発生してしまうような場合、他のカルチャースクールに変更しようと思っている顧客は違約金を支払わなければならなくなるので、現在のカルチャースクールを辞めにくくなるはずです。(金銭的コスト)
又、あなたのカルチャースクールで使っている設備や道具が他のカルチャースクールとは異なる仕様になっているような場合、カルチャースクールを変更すると、顧客は設備や道具の使い方を新たに覚えなければならなくなるので、現在のカルチャースクールを辞めにくくなるはずです。(物理的コスト)
そして、顧客がこれまで形成してきた交友関係を大切にしているような場合、現在通っているカルチャースクールを辞めてしまうと、カルチャースクールで築いてきた交友関係を続けられない恐れがあるので、現在のカルチャースクールを辞めにくくなるはずです。(心理的コスト)
スイッチングコストを高くするためには……
このようなスイッチングコストを高くすることができれば、他の企業に顧客を取られにくくすることができますが、あからさまにスイッチングコストを高くすることにはデメリットもあるので注意が必要です。
というのも、スイッチングコストを負担するのは顧客の側であるため、あまりにもスイッチングコストが高いようだと、顧客がそのような製品やサービスをそもそも選択しなくなる可能性が高くなるからです。
そのため、スイッチングコストを高くする場合には、顧客があまり意識しないような工夫が必要になりますが、金銭的コストや物理的コストは事前に知らせておかないと後でトラブルになる恐れもありますから、心理的コストが高くなるような“しかけ”を用意することが有効ということになります。
例えば、先ほどのカルチャースクールの例であれば、顧客が従業員に対してもっと親しみを感じられるように従業員を訓練したり、顧客がカルチャースクールに対して一体感を感じてしまうような景品をサプライズで渡したりして、心理的コストを高めることが効果的ということになります。
要は、ただ製品やサービスを販売する方法を考えているだけではダメということですね。
次回は、「リーダーシップ」についてお話ししたいと思います。
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