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このブログ記事は、2019年2月7日に改題・更新しました。
今回は、「複式簿記の利点と貸借平均の原理」についてお話ししてみたいと思います。
「借方」と「貸方」にそれぞれ分けて記録することで……
前々回の複式簿記の本質とその利点はどこにあるのか?(中小企業経営者のための簿記会計入門!その2)では、複式簿記には二つの側面から取引を同時に把握することができるという利点があることを説明しましたが、実は、あの話には続きがあります。
複式簿記では、加算する額と減算する額をそれぞれ分けて記録をすることができるので、まずは「借方」「貸方」ごとに合計額を算出し、その後で「借方」と「貸方」の合計額を差し引き計算すれば、加算・減算の計算を並行して行うよりも、残高の計算ミスをぐっと減らすことができるのです。
会計ソフトが発達している現代においてはあまりメリットを感じることはないのかもしれませんが、会計ソフトがない時代においては、これは画期的な発明といえるものでした。
(中小企業の経営者であるあなたも、これらの計算を暗算や機械式計算機で行わなければならないことを想像すれば、これがどれだけスゴイことなのかが分かるでしょう!)
貸借平均の原理から得られるメリット!
前回の資産・負債・純資産(資本)・収益・費用とはどのようなものか?(中小企業経営者のための簿記会計入門!その3)では、資産・負債・純資産(資本)・収益・費用がどういうものなのかについて説明しましたが、複式簿記では、資産の増加は「借方」に計上し、資産の減少は「貸方」に計上します。
一方、負債や純資産(資本)の増加は「貸方」に計上し、負債や純資産(資本)の減少は「借方」に計上します。
同じように収益・費用についても、収益の発生は「貸方」に計上し、費用の発生は「借方」に計上しますが、発生の時とは逆の側(収益は「借方」、費用は「貸方」)に計上することで、それぞれマイナスの計上をすることもできます。
更に、仕訳をする際には、「借方」と「貸方」の金額はそれぞれ同額になっているはずですから、仕訳ごとの記録をしている「仕訳帳*」と勘定科目ごとの記録をしている「総勘定元帳」の「借方」と「貸方」の合計金額はそれぞれ一致することになります。
*仕訳帳を使わずに仕訳伝票を用いる場合もあります。
これを専門用語で「貸借平均の原理」と呼びますが、仮に「借方」と「貸方」の合計金額が一致しないような場合には、何らかの記録のミスがあることが直ぐに判明します。
このように、複式簿記には計算ミスに対するチェック機能が内蔵されているという大きなメリットがあるのです。
次回は、「試算表と貸借対照表及び損益計算書の関係」について解説したいと思います。
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