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このブログ記事は、2020年4月20日に改題・更新しました。
今回は、「企業統治(コーポレートガバナンス)」について解説してみたいと思います。
企業統治(コーポレートガバナンス)とは何か?
あなたが経営している会社では、「企業統治(コーポレートガバナンス)」の状態はどうなっているでしょうか?
ちなみに、企業統治(コーポレートガバナンス)とは、企業経営を監督するための仕組みのことですが、上場企業の場合、「所有と支配の分離*1」が進んでいるため、会社の実質的所有者である株主の利益を守るために企業統治(コーポレートガバナンス)を強化し、企業経営が適正に行われるような体制を整備しなければいけません。
*1株主一人あたりの持株比率が低くなることで、企業経営に与える株主の影響力が弱くなってしまうこと。
しかし、中小企業の場合、企業経営を行っている経営者自身が大株主であることが多く、又、それ以外の株主も親族などの顔見知りであることがほとんどです。
そのため、中小企業で企業統治(コーポレートガバナンス)の強化が必要となることはあまり考えられないのですが、それでも以下のようなケースでは、例外的に企業統治(コーポレートガバナンス)を強化しなければならない場合があります。
例えば、相続などにより、あまり仲の良くない親族間で株式が分散してしまい、企業経営を担当する親族と企業経営に関与しない親族とに分かれてしまうような場合、企業経営が適正に行われるような体制を整備する必要が生じます。
他にも、親族内で事業承継をすることができず、更に、親族外の事業承継者が株式を買い取るだけの資金を用意できなかったような場合、大株主ではない親族外の事業承継者が企業経営を行うことになるので、企業経営が適正に行われるような体制を整備する必要が生じます。
守るべき範囲を株主以外の利害関係者の利益にも広げれば……
一般的に企業統治(コーポレートガバナンス)の議論では、株主の利益を前提に話がされますが、守るべき範囲を株主以外の利害関係者の利益にも広げれば、中小企業であっても企業統治(コーポレートガバナンス)は重要であるという結論になります。
なぜなら、従業員や取引先、金融機関などの利益を守るためには、経営者の放漫経営を許さないような監視体制を整備しなければならないからです。
もちろん、企業統治(コーポレートガバナンス)を強化すると、他の取締役や監査役などを任命する必要が生じるため、彼らへの報酬の支払いも生じますし、経営者であるあなたの行動も大きく制約を受けることになるでしょう。
それに、企業統治(コーポレートガバナンス)をあまりにも強化しすぎてしまうと、機動的な意思決定ができなくなるなどの弊害の方が大きくなってしまいますから、ただ強化すればよいというものでもありません。
けれども、適切な範囲で企業統治(コーポレートガバナンス)を強化することは、企業が長期に渡って健全経営を行えるような仕組みを構築することにもなりますから、経営者であるあなた自身の利益にもなるはずです。
そうだとすれば、一度くらい検討してみる価値は十分にあるのではないでしょうか?
次回は、「スイッチングコスト」についてお話ししたいと思います。
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