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このブログ記事は、2020年11月1日に改題・更新しました。
今回は、「スペシャリスト」や「ゼネラリスト」について考えてみたいと思います。
スペシャリストとは何か?ゼネラリストとは何か?
中小企業の経営者であるあなたは、「スペシャリスト」や「ゼネラリスト」がどのようなものなのか、きちんと説明することはできるでしょうか?
ちなみに、スペシャリストとは、ある特定の分野で専門的に仕事を行う人のことであり、ゼネラリストとは、広範囲の分野での経験や知識を活用して仕事を行う人のことを指します。
そのため、スペシャリストの場合には、専門性をどれくらい深掘りできているのかが能力を評価するための指標となるのに対し、ゼネラリストの場合には、守備範囲の広さだけでなく、そのバランス感覚がどれくらい優れているのかが能力を評価するための指標となります。
このように、スペシャリストとゼネラリストでは求められる能力が大きく異なるのですが、個人的にはスペシャリストの方が極めることは容易だと考えています。
というのも、公認会計士である私自身の経験を振り返ってみても、時間をかけてコツコツと修練することができるのであれば、スペシャリストとして技能を習得したり、高めたりすることは十分に可能だからです。
一方、ゼネラリストの場合、守備範囲の広さにもよりますが、経験を積む期間はどうしても長くなりがちであり、又、それらを高いレベルでそつなくこなすためには、どうしても個人の才覚に頼る部分が多くなってしまいます。
尚、近頃は「T型人材」や「H型人材」と呼ばれる複数の専門分野を持つ人材がもてはやされているようですが、私には、それらはゼネラリストになれなかったスペシャリストの派生形のように思えて仕方がありません。
経営者はスペシャリストなのか?それとも、ゼネラリストなのか?
それでは、経営者は「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」のどちらなのかと問われたら、中小企業の経営者であるあなたはどう答えるでしょうか?
企業経営そのものを一つの専門分野だと捉え、経営者はスペシャリストであると判断するのも一つの考え方ではありますが、私自身は、経営者はゼネラリストであると考えています。
なぜなら、企業経営を行う際に重要なのは、専門性の深さよりも、視野の広さとバランス感覚の方だからです。
もちろん、企業経営を行うのに必要な専門知識を深めることが経営者にとって役立つことは否定しませんが、そのような専門知識が深くなりすぎると、これまでの常識にとらわれ過ぎて、かえってイノベーションを起こせなくなってしまいます。
それに、企業経営というのは「変化との戦い」という側面も有しているため、新しい事象に対応した経営理論が提唱され、その有効性が確かめられるのをずっと待っていたのではタイムリーに対応することができない恐れもあります。
このように、経営者に求められるのは、道を究めることよりも、柔軟な思考と臨機応変な行動ができることであるため、私自身は、経営者をスペシャリストと考えるよりも、ゼネラリストと考えた方がシックリくるのです。
但し、ここでいうゼネラリストとは、ただの調整役のことではありませんので、くれぐれもご注意ください……
次回は、「優越的地位の濫用」についてお話ししたいと思います。
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