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このブログ記事は、2017年11月3日に改題・更新しました。
今回は、返済が難しくなった場合の対応について考えてみたいと思います。
リスケジュールという選択肢
もし、借入金の返済が難しくなった時、経営者であるあなたならどうするでしょうか?
借入金の返済は、借入金の返済額≦返済期限×(税引後当期純利益+減価償却費)の算式が成立する範囲内でしか行えませんから、この算式を成立させるために何らかの手段を講じる必要が生じます。
多くの経営者が思いつくのは「追加融資」だと思いますが、業績が悪化して赤字が続き、もはや他の金融機関をまわってみても追加融資は不可能であるということになれば、もはや「リスケジュール(=返済条件を変更してもらうこと)」するしか手は残されていないでしょう。
つまり、上述の算式を成立させるために、右辺の返済期限をリスケジュールによって事実上延長してもらうことで一時的に返済額を少なくし、これによって危機を乗り切ろうというわけです。
昔と違って、今はリスケジュールの要請に、銀行などの金融機関はスンナリ応じてくれることが多くなりました。(金融緩和をしている今だけの現象なのかもしれませんが……)
但し、一度リスケジュールを開始したら、返済が厳しくなったからといって、再び返済条件を変更することは簡単ではありません。それどころか、貸し手の信用を失うことでいつ回収に入られてもおかしくはないですから、そのようなことが起こらないように無理のない返済条件を締結しなければなりません。
経費を削減しても……
リスケジュールをすると、一時的に資金繰りは楽になりますが、銀行などの金融機関は追加の融資にはほとんど応じてくれなくなるため、経営を立て直すための資金が調達できなくなり、あらかじめ資金の手当てができていないと、経費を削減したり、無駄な資産を売却したりするぐらいしか打つ手がなくなります。
業績が悪化した原因が明らかに無駄使いであったような場合であれば、経費の削減や無駄な資産の売却は経営の立て直しに大きな効果があります。
けれども、そうではない場合、経費を削減したり、無駄な資産を売却したりするという改善策は、あくまでも収支をバランスさせるだけの後ろ向き(あるいは消極的)な対策でしかありません。
対応関係は不明でも、多くの経費は何らかの形で将来の売上獲得に貢献しています。
ですから、経費を削減することで短期的に収支が改善したとしても、多くの場合はジリ貧に追い込まれてしまって、そこから抜け出せなくなってしまいます。
しかも、運良く売上が増加したら増加したで必要な運転資金が増えることになるので、銀行などの金融機関の協力を得られなければ、最悪の場合には資金繰りに行き詰って経営破綻してしまう可能性すらあります。
そう考えると、リスケジュールによって経営を立て直すのは“針穴に糸を通す”ようなものなのかもしれません。
次回は、資金使途と融資方法の関係について解説したいと思います。
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