個人事業者と法人、どちらの方が融資を受けやすいのか?(融資のキホンの基本!その4)

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このブログ記事は、2017年11月3日に改題・更新しました。

今回は、個人事業者と法人、どちらが借りやすいのか?について考えてみたいと思います。

結局、どちらの方が有利なのか?

あなたは、個人事業者*でしょうか?それとも、会社経営者でしょうか?

*個人事業主という用語の方が一般的に使用されていますが、消費税法第2条第1項第3号で事業を行う個人を個人事業者と定義していますので、私のブログ記事では個人事業者という用語で統一しています。

個人事業者と法人どちらが有利なの?

融資の申込みをする際、「個人事業者と法人のどちらが有利なのか?」についてはあなたも気になるところだと思います。

これについては、私は社会的な信用力の差から、「法人の方が有利」だと考えています。

但し、この結論は、法人の資本金等は最低でも数百万円(できれば1千万円)以上はあることと、黒字経営であることが前提です。

あと、創業・起業したての頃であれば「どちらもほぼ同じ」だと考えています。

なぜなら、創業・起業したばかりでほとんど実績もなく、担保に入れるような不動産もないような場合であれば、どちらであっても、都市銀行や地方銀行などからプロパー融資(=信用保証協会の保証が付いていない融資のこと)を受けることは難しく、実際には政府系金融機関のひとつである日本政策金融公庫に融資を申込むか、制度融資を申込むぐらいしか選択肢はありませんから、この場合には、個人事業者であろうが、法人であろうが、どちらもほぼ同じように扱ってもらえるからです。

ですから、もし、あなたが創業・起業をするに当たって、個人事業者と法人のどちらを選択するかを悩んでいるのだとしたら、融資のことだけではなく、あらゆる観点からどちらが有利かを判断する必要があるでしょう。

創業・起業時はどちらもほとんど変わらない……

法人の方が有利である本当の理由?

私が法人の方が有利だと判断しているのは、主に社会的な信用力の観点から、法人の方が金融機関に評価されやすいと考えているからですが、これは、法人(特に株式会社)の方が個人事業者よりも社会性が強く、又、大規模化をするにも適しているので、融資をする側も賛同しやすく、事業拡大のために多額の融資が必要であるという説明にも納得がしやすいということを意味します。

裏を返せば、創業・起業時ならともかく、その後も個人事業者のままでいるような場合、多額の融資が必要であることの理解が得にくいということです。

但し、融資を受けるのに法人化した方が有利であるからという理由だけで、形だけ法人化したとしても意味はありません。

現在は最低資本金制度が廃止されているので、理屈の上では1円からでも株式会社を設立することは可能ですが、ほとんどの場合、そんな少額な資本金等では金融機関の評価は変わりませんから、実際には数百万円単位の資金を融資以外の方法で別途工面しなければなりません。現物出資を利用するなどの裏ワザもありますが、それにも限度があるでしょう。

ですから、融資を有利にするためだけに法人化するというのはあまり意味がないのです。

昔は、株式会社を設立するのに、1千万円以上の資本金が必要とされていました。

次回は、返済が難しくなった場合の対応について解説したいと思います。

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