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このブログ記事は、2020年8月23日に改題・更新しました。
今回は、「コモディティ化」について解説してみたいと思います。
コモディティ化とは何か?
中小企業の経営者であるあなたは、「コモディティ化」という用語を聞いたことがあるでしょうか?
コモディティ化というのは、市場に多数の類似品が出回ることで差別化が難しくなり、消費者の選択基準が販売価格だけになってしまう現象のことです。
経営者にとってコモディティ化が厄介なのは、消費者の目線からは「どの商品もほとんど同じ……」という状態に映っているだけであり、需要そのものが無くなっているわけではないという点です。
そのため、他社よりも販売価格を下げることができるのであれば、その分だけ販売量を増やすことが出来るため、熾烈な価格競争が行われる可能性が高いのです。
そこで、このような状態をゲーム理論によって説明すると、以下のようになります。
一回切りゲームではなく、繰り返しゲームを行う場合を想定すると、複占(2社だけの場合)や寡占(数社だけの場合)の状態であれば、お互いの手の内が見えているので、お互いにとって望ましい「価格を維持する」を全社が選択し、利益を最大化することができます。(カルテルを結ぶということではなく、お互いが空気を読んだ結果として、全社が「価格を維持する」を選択するということです!)
けれども、多数の企業が参入しているような状態だと、お互いの手の内が見えない(複占や寡占の場合と違って、必ず空気を読まない企業が出てくる……)ので、「価格を維持する」よりも「価格を下げる」を選択した方が有利となり、全社が「価格を下げる」を選択し続けることになります。
どうせ苦労をするのなら……
普通に考えれば、このような価格競争が生じると、財務的基盤の弱い企業から次々と市場を退出することになるでしょうから、結局、市場に残ることができるのは「上位の数社だけ……」ということになります。
それに、市場に残ることができたとしても、コモディティ化が生じている商品やサービスの場合、販売価格が上昇すれば、再び多数の企業が参入するようになるので、低い販売価格が維持されるか、わずかに販売価格が上昇するぐらいで、販売価格が急上昇するようなことはありません。
以上のような理由から、財務的基盤の弱い中小企業が無理をして価格競争を続けても、将来において報われる可能性はとても低く、コモディティ化が生じている商品やサービスからは早く手を引いた方が賢明だといえます。
もちろん、財務的基盤の弱い中小企業が高付加価値の新商品や新サービスを開発するのはとても難しいという事情はあるでしょう。
しかし、だからといって、いつまでもコモディティ化が生じている商品やサービスに対して見切りをつけず、財務的基盤がしっかりしている大企業との価格競争に身を投じたとしても勝ち目は薄いはずです。
そうだとすれば、同じ苦労をするのなら「少しでも報われる可能性が高い方法を選ぶべきだ」と個人的には思うのですが……
次回は、「フリー戦略」についてお話ししたいと思います。
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