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このブログ記事は、2017年8月3日に改題・更新しました。
今回は、与信管理の前提でもある債権残高管理の重要性について説明したいと思います。
中小企業の場合、支払サイトが長くなる……
中小企業において債権残高の管理が重要になるのは、中小企業が「弱者の立場」にあることもあって、「支払サイト」がとても長いケースがよくあるからです。
支払サイトというのは、取引の代金の締め日から、支払日までの日数のことをいいます。
尚、債権者の立場から見た支払サイトを「回収サイト」、債務者の立場から見た支払サイトを「支払サイト」と区別する場合もありますが、経理実務ではこれらを区別しないことが一般的なので、私のブログ記事では「支払サイト」の用語で統一して使用しています。
例えば、月末締め翌月末日払いという条件であれば、月末に、その月の取引額を集計して請求額を確定し、翌月の末日を支払日にすることを意味しますから、支払サイトは30日ということになります。
(注:上の支払サイトの計算は、締め日が1ヶ月に1回であると仮定し、又、1ヶ月を30日として計算しています。)
又、20日締め翌月15日払いという条件であれば、その月の20日に、前月の21日から当月の20日までの取引額を集計して請求額を確定し、翌月の15日を支払日にすることを意味しますから、支払サイトは25日ということになります。
(注:上の支払サイトの計算は、締め日が1ヶ月に1回であると仮定し、又、1ヶ月を30日として計算しています。)
更に、中小企業の場合には、期日現金払いではなく、手形決済という条件であることも多いため、仮に、月末締め翌月末日振出120日手形払いといった感じの支払条件で手形取引をさせられるとしたなら、支払サイトは30日+120日=150日ということになります。
支払サイトが長いと、どんな問題が生じるのか?
当然ですが、販売活動は、取引先に商品やサービスを引渡しただけでは終わりません。
取引先に商品やサービスを引渡すと、売上債権を取得することになりますが、これらをきちんと回収することで、ようやく販売活動は完了します。
支払サイトがとても長いということは、この取引先に商品やサービスを引渡しているが、代金回収は未了であるという中途半端な状態がとても長く続くことを意味します。
そのため、支払サイトの長さは、「資金繰り」と「与信管理」に大きな影響を与えます。
資金繰りについては、ファクタリングを活用したり、手形を割引いたりすることで、資金的な手当をすることは可能ですが、これらは、売掛金や受取手形を担保に資金を借入れているのと実質的には変わりませんし、ファクタリングや手形の割引をするための費用も安くはないので、根本的な問題解決手段にはなり得ません。
与信管理についても、取引先に何かしらの問題が生じた場合に、代金回収ができない危険にさらされる期間がとても長くなるので、そのための対策が欠かせないことになります。
いずれにせよ、このような問題に迅速に対応するためには、債権の残高を適時に把握しておく必要があるので、債権残高の管理はとても重要であるということになります。
次回は、与信管理の必要性についてお話ししたいと思います。
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