分業についての考え方!(中小企業の人材活用術!その2)

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このブログ記事は、2020年1月5日に改題・更新しました。

今回は、「分業のあるべき姿」について考えてみたいと思います。

どのレベルまで?

あなたが経営している会社では、どれ位、職務の分業が行われているでしょうか?

同じ中小企業であっても、大企業並みの規模を有する会社であれば、かなり細かいところまで分業が行われているかもしれませんが、従業員が数人しかいないという状態であれば、あまり分業は行われていないはずです。

ちなみに、企業経営の世界に分業の考え方を持ち込んだのは、「科学的管理の父」と呼ばれているフレデリック・テイラーですが、彼の唱える「職能的組織」は、厳密には、管理者の職務をそれぞれ分割するというものであり、「職能別組織」のように、末端の従業員レベルでの分業についてまでは想定していませんでした。

職能的組織VS職能別組織

分業のメリット・デメリット

分業のメリットは、管理原則の一つである「専門化の原則」を徹底できることです。

例えば、Aという職務、Bという職務、Cという職務があり、AからCまでの職務を全て任される場合とAの職務だけを任される場合を比較すれば、Aという職務をより速く極めることができるのは、Aの職務だけを任される場合の方でしょう。

このように、分業には習熟するスピードを速められるという効果があります。

一方、分業のデメリットは、各職務の担当者の間で不公平が生じること、そして、担当者の視野が狭くなってしまうことです。

例えば、先ほどのAという職務、Bという職務、Cという職務で難易度が明らかに異なるような場合、それぞれの職務の担当者の間で「何で自分だけが……」とか、「何だか物足りないなぁ~」といった不満が出る恐れがあります。

又、それらの職務の間に強い関係性が見られるような場合、単一の職務に精通している場合よりも、複数の職務を経験している場合の方が、全体として最適な行動をすることが可能になるはずです。

分業にはメリットとデメリットがある……

中小企業の場合には……

中小企業の場合、規模の経済の効果があまり働かないので、分業のメリットを追求するよりも、分業しないことのメリット(=分業のデメリットの反対)を追求した方が上手くいくことが多いです。

しかし、そのような場合であっても、高い専門性が要求されるような職務の場合には、分業をした方が成果も大きくなり、又、コスト的にも安くなる場合があります。

例えば、小さな病院の場合、従業員が少ないことを理由に、給料の高い勤務医に資料整理や清掃などの雑務も任せてしまうよりも、勤務医には医療行為に専念してもらい、雑務については、賃金の安いアルバイトを別に雇った方が、病院として診療できる患者数も多くなり、又、コストも安くできるはずです。

このように、たとえ中小企業であっても、職務の専門性の高さを考慮して分業をするかどうかを決めないと、かえって判断を誤ってしまう危険があります。

職務の専門性の高さを考慮する必要があります!

ですから、従業員の数だけで分業をするべきかどうかは決められません。

次回は、「経営者と従業員の立場の違い」について解説したいと思います。

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