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このブログ記事は、2021年3月12日に改題・更新しました。
今回は、「インテグラル型製品」や「モジュラー型製品」について解説してみたいと思います。
インテグラル型製品とは何か?モジュラー型製品とは何か?
中小企業の経営者であるあなたは、「インテグラル型製品」や「モジュラー型製品」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
インテグラル型製品とは、擦り合わせ型製品とも呼ばれるもので、要素間の関係が緊密な相互依存状態にあることから、要素間のすり合わせが不可欠な製品をいいます。
例えば、内燃機関で駆動するガソリン車やディーゼル車などは、これらを構成する個々のパーツの性能がいかに優れていても、パーツ間の擦り合わせがされていなければ、自動車としての性能を最大限に発揮することができません。
一方、モジュラー型製品とは、組み合わせ型製品とも呼ばれるもので、要素間の関係が規格などでコントロールされていることから、要素間のすり合わせが不要な製品をいいます。
例えば、パソコンなどは、これらを構成する個々のパーツが定められた規格に適合していれば、ユーザーが自分でパーツを組み合わせて製作したとしても、カスタマイズされたパソコンとして問題なく使用することができます。
インテグラル型製品からモジュラー型製品へと移行していることが多いが……
工業製品の歴史を見ると、その多くがインテグラル型製品からモジュラー型製品へと移行していることが分かります。
先ほどモジュラー型製品の例として挙げたパソコンについても、その前身である初期のコンピューターはインテグラル型製品でしたし、インテグラル型製品の例として挙げた自動車についても、次世代自動車の一つである電気自動車(EV)は今後モジュラー化が進んでいくだろうと予想されています。
但し、インテグラル型製品とモジュラー型製品の違いは、あくまでも製品アーキテクチャ(=製品に対する基本的な設計思想)の違いによるものですから、インテグラル型製品よりもモジュラー型製品の方がコストを下げやすいという利点はあるとしても、インテグラル型製品の方が性能的に劣っていて、モジュラー型製品の方が性能的に優れているという単純な関係にはありません。
そのため、必ずしもインテグラル型製品からモジュラー型製品へと一方通行的に移行するわけではなく、技術革新が起こったような場合には、モジュラー型製品からインテグラル型製品へと移行する場合もあります。
企業はインテグラル型か?それとも、モジュラー型か?
ところで、工業製品ではありませんが、企業は「インテグラル型」と「モジュラー型」のどちらに当てはまるのかを質問されたら、経営者であるあなたはどのように答えるでしょうか?
つまり、各従業員の役割を全社的な観点から調整することで、企業として最高のパフォーマンスが発揮できるようになると考えるのか?それとも、各従業員の役割を予め明確にして自律的に行動させれば、企業として最高のパフォーマンスが発揮できるようになると考えるのか?ということです。
理想はモジュラー型の方なのでしょうが、変化が激しい現在の経営環境を考慮すると、現実的にはインテグラル型でなければ企業として最高のパフォーマンスを発揮させることは難しいと思います。
そうだとすると、企業として最高のパフォーマンスを発揮させられるかどうかは、「調整役」である経営者のあなたがカギを握っているということになるでしょう……
次回は、「リストラクチャリング」についてお話ししたいと思います。
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