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このブログ記事は、2017年9月2日に改題・更新しました。
今回は、「オフバランス」について解説したいと思います。
オフバランスとは?
「オフバランス」とは、簡単に説明すると、資産や負債が貸借対照表に計上されていない状態のことをいいます。逆に、資産や負債が貸借対照表に計上されている状態のことを「オンバランス」といいます。
資産や負債をオフバランスすることができれば、利益の額が同じであっても、オフバランスをした分、総資産の額を少なくできるので、ROA(総資産利益率)を高く見せることができます。
そして、ROA(総資産利益率)が高ければ、銀行などの金融機関や投資家などに、効率的な経営ができていると判断してもらいやすくなるので、オフバランスをするのにはそれなりのメリットがあるのです。
但し、会計基準や税法により、貸借対照表に資産や負債として計上しなければならないとされるものを計上しないのは、違法な処理になりますので注意してください。
なぜ、リース取引はオフバランス処理が認められていたのか?
経営者であるあなたが、オフバランスという言葉を聞いて連想するのは、おそらく「リース取引」ではないでしょうか?
確かに、会計基準や税法が変更されるまでは、「所有権移転外のファイナンス・リース取引」ついては、例外的にオフバランス処理が認められていました。
なぜ、所有権移転外のファイナンス・リース取引について、オフバランス処理が認められていたかというと、かつては、資産の計上要件として、買い手側への所有権の移転が必要だと考えられていたからです。(うがった見方をすれば、リース会社はこの所有権の移転が必要というのを逆手にとって、オフバランスが可能な商品を開発したということです!)
けれども、所有権移転外のファイナンス・リース取引の実態は、借り手である企業が、リース会社から資金を借入れ、その資金を使って、リース会社からリース資産を購入したのと何ら変わりはないと考えられるため、現在の会計基準や税法では売買されているとみなされ、基本的にオンバランス処理しなければならないこととされています。
正々堂々とオフバランスする方法!
このように、オフバランスというと、会計基準や税法の不備を突くという発想になりがちなのですが、そんなことをしなくても、正々堂々とオフバランスをする方法はあります。
それは「不必要な資産を持たないようにする」という方法です。
あなたが経営する会社の貸借対照表を持って、会社の中を探索してみてください。
ずっと売れていない棚卸資産はありませんか?
ずっと使っていない固定資産はありませんか?
これらは、貸借対照表には資産として計上されているけれど、あなたの会社には不要なものでないでしょうか?
これらを適切に処分していきましょう。(尚、損金算入するためには、税法で認められた処理をする必要がありますので注意してください!)
こうすることで、あなたは正々堂々とオフバランスすることができるのです。
次回は、「粉飾(粉飾決算)」や「逆粉飾(逆粉飾決算)」についてお話ししたいと思います。
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