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このブログ記事は、2017年4月15日に更新しました。
今回は、「組織は戦略に従う」という命題についてお話ししたいと思います。
組織は戦略に従うとは?
中小企業の経営者であるあなたは、「組織は戦略に従う」というのを聞いたことがあるでしょうか?
これは、アルフレッド・D・チャンドラーという人が1962年に発表したもので、正確には「組織構造は戦略に従う」という命題のことですが、私なりに解釈して解説すると、”企業の組織構造は企業が採用している経営戦略を実行しやすい形になる”という現象を示したものです。
チャンドラーが研究対象にしていた、1920年代のアメリカのデュポン、ゼネラル・モーターズ、スタンダード石油、シアーズ・ローバックなどの多くの企業では、多角化戦略を採用すると、職能別組織から事業部制組織へと組織構造を変化させていました。
そこで、チャンドラーは「組織は戦略に従う」という命題を導き出したのです。
職能別組織から事業部制組織に組織構造を変化させていた理由
1920年代のアメリカでは、第2次M&Aブームが起こり、水平型M&A(同じ業種内の企業間でのM&Aのこと)が規制されたことから、垂直型M&A(同じ業種の川上や川下の企業間でのM&Aのこと)が盛んに行われていました。
更に、チャンドラーが「組織は戦略に従う」を発表した1960年代には、水平型M&Aや垂直型M&Aの規制が強化されたことから、コングロマリット型M&A(異なる業種の企業間でのM&Aのこと)が主体となる第3次M&Aブームが始まっています。
このように、当時のアメリカでは、成功した企業が次々と多種多様な事業を傘下に収め、どんどん巨大化していくという状態でした。
そのため、従来の職能別組織のままではトップの経営者の負担が過大になりすぎて対応できなくなり、複数の事業を自律的かつ機動的に管理することができる事業部制組織を採用するようになったのです。
中小企業の場合には……
このように、「組織は戦略に従う」という命題は、どちらかといえば大企業を対象にしたものです。
しかし、だからといって、中小企業には全く無関係ということにはなりません。
ある経営戦略を実行するのに不向きな組織構造であるならば、そのような経営戦略を実行しやすい組織構造に変革した方が経営が効率的になるという事情は、中小企業であっても同じだからです。
もちろん、職能別組織と事業部制組織のどちらがいいのか?というような議論は、中小企業の場合にはそのままでは当てはまりません。
そんなことよりも、組織における”分業のあり方”や”部下に対する権限委譲”をどうするのか?といったような組織構造の本質に関わる部分のデザインこそ、経営者であるあなたが考えなければならないことです。
さあ、あなたはどんな風に組織構造の本質に関わる部分をデザインするのでしょうか?
次回は、「戦略は組織に従う」という命題について解説したいと思います。
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